ナワリヌイ氏の遺体を当局が母に引き渡し 側近、葬儀妨害への懸念も
ロシアの反政権派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の母リュドミラさん。ナワリヌイ氏が収監されていた刑務所を背後に、プーチン大統領に遺体の引き渡しを求めた=ロシアのSNSから
獄中で死去したロシアの反政権派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の報道担当者キラ・ヤルミシュ氏は24日、同氏の母リュドミラさんに遺体が引き渡されたと、X(旧ツイッター)で伝えた。同氏の葬儀については今後、発表するとしているが、当局が妨害する可能性があるとの懸念も示した。
【写真】ナワリヌイ氏追悼で220人以上拘束 多発する「政敵」の不可解な死
当局によると、ナワリヌイ氏は16日、北極圏の刑務所で死去。だが、現地に到着したリュドミラさんは21日夜まで遺体との対面ができず、ナワリヌイ氏の側近は「殺害の証拠を消している」と批判していた。
当局が作成した死亡診断書には「自然死」と書かれていたといい、リュドミラさんらは法律に従い、24日までの遺体引き渡しを求めてプーチン大統領や裁判所に訴えていたが、捜査官から引き渡しの条件として「密葬」にするよう脅されたと訴えていた。
また、ナワリヌイ氏の母に遺体を引き渡すべきだという声も、ロシアの著名人の間で広がっていた。
ナワリヌイ氏の葬儀について、リュドミラさんは、支持者が参列できることを望んでいた。だが、3月半ばの大統領選を前にプーチン政権は反政権派への圧力を強めており、希望通りにできるかは不透明な情勢だ。