阿部監督は得点機作る重要性を説くが…巨人打線沈黙、大城卓三「粘り強くやっていくしかない」
8回無死2塁、代打・大城卓が外野フライに倒れる(6日)=稲垣政則撮影
中日2―0巨人(セ・リーグ=6日)――中日は一回、細川の適時二塁打で先行。三回にも細川の適時打で1点を加えた。梅津は六回途中無失点で今季初白星。巨人は散発5安打で今季5度目の零封負け。
◇ 大型連休初日のミーティングで、巨人の阿部監督は選手たちに語りかけた。「簡単にポコポコ打てるものじゃない。そこをみんなで我慢してやるしかない」。しかし、打線の状態は、なかなか上向いてこない。中日との3連戦初戦で喫した敗戦は、連休期間に限っても3度目の零封負けだ。
2点を追う終盤の八回に好機が訪れた。マウンドには快速右腕の松山。先頭の小林に代わり、長野が代打で送られた。外寄りの速球を捉えると、打球は右翼線への二塁打となり、ベンチが沸き立った。
しかし、ここからが続かない。代打の大城卓が初球の直球を狙ったが左飛に打ち取られ、増田大は2球目のフォークボールを引っかけて三ゴロ。続く丸も4球連続のフォークの前に、空振り三振に倒れた。
チームの総得点は82で、リーグ5位にとどまっている。1試合平均では2・48点で、投手陣が2失点に抑えないと勝利には届かない計算だ。打線は「水物」。ならばと、監督は得点機をいかに数多く作るかに腐心し、犠打やチーム打撃の重要性を説く。しかし、この日は好機らしい好機も、思うように作れなかった。
昨季に打撃3部門でキャリアハイを記録した大城卓は打率1割台と低迷し、出番も減らしている。「チーム全体として粘り強くやっていくしかない」と大城卓。本来は打てる捕手であるはずの選手会長が乗ってこないのも、得点力不足を招いている。
阿部監督は試合後、痛めていた膝を悪化させた梶谷と中山に代わり、秋広と新人の泉口友汰(NTT西日本)を昇格させると明かした。昨季は中軸も担った秋広は今季初の一軍だ。重苦しい雰囲気を一掃する起爆剤がほしい。(平山一有)