米国の要請あれば中国から撤退、サウジAIファンドのトップが表明
Attendees stand on an escalator as they move through the interior of the King Abdulaziz Center for World Culture during a tour of the project in Dhahran, Saudi Arabia, on Friday, Nov. 25, 2016. When completed, the project designed for the Saudi Arabian Oil Co. (Aramco) will contain diverse cultural facilities, including an auditorium, cinema, library, exhibition hall, museum and archive.
(ブルームバーグ): サウジアラビアの政府系ファンドから資金提供を受け、半導体や人工知能(AI)テクノロジーに投資している新設ファンドのトップが、米国の要請があれば中国から撤退すると表明した。
投資会社アラットのアミット・ミダ最高経営責任者(CEO)は「今のところ求められているのは製造とサプライチェーンを完全に分離することだが、もし中国との提携が米国にとって問題になるのであれば、われわれは手を引く」と述べた。
同社にはサウジのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が1000億ドル(約15兆5000億円)出資している。
米政府は国家安全保障上の問題を巡る一連の協議の一環として、半導体産業の発展を目指すサウジ当局に対し、中国と米国の技術のどちらかを選択する必要があると伝えたとブルームバーグが先に報じていた。
米国はサウジやアラブ首長国連邦(UAE)などの国々が、中国企業が米国から購入することを禁じられているテクノロジーに中国政府がアクセスするためのパイプ役になることを懸念しており、中東の中国との関係に一段と神経をとがらせている。
ミダ氏は米カリフォルニア州で開催されたミルケン研究所主催のグローバルカンファレンスに参加。ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、「われわれは信頼できる安全なパートナーシップを米国に求めている。米国はわれわれにとって一番のパートナーであり、AIと半導体および半導体業界にとって最も重要な市場だ」と語った。
同氏はその上で、アラットは6月末までに米テクノロジー企業2社との提携を発表するほか、米投資会社1社と共同投資を行う予定だと明らかにした。ただ、具体的な企業名には触れず、AIか半導体、あるいはその2つの組み合わせが焦点になるのかどうかに関しコメントを控えた。
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原題:Saudi AI Fund Would Divest From China Tech If US Asked, CEO Says(抜粋)
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