米、ガザ「6週間停戦」目指す イスラエルの南部ラファ攻撃を牽制
【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は12日、ホワイトハウスでヨルダンのアブドラ国王と会談し、イスラエルの攻撃が続くパレスチナ自治区ガザでの民間人保護や、ガザへの人道支援強化に向けた連携を協議した。バイデン氏は会談後の共同記者発表で、イスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの人質解放交渉を通じ、「少なくとも6週間」の停戦実現を目指していると明らかにした。
バイデン氏は、イスラエルが準備するガザ南部ラファへの本格攻撃について、「民間人保護のための確かな計画なしで進めるべきではない」と牽制(けんせい)した。エジプトとの境界線に隣接するラファには、イスラエルが軍事制圧した北部などからの避難民ら約150万人が集中している。
またバイデン氏は、ヨルダンに駐留していた米兵3人が殺害されたことへの報復としてシリアやイラクで進めている親イラン民兵組織への攻撃について「今後も継続する」と言明した。
アブドラ国王は即時停戦を主張し、過激なユダヤ人入植者によるパレスチナ住民への暴力が多発する自治区ヨルダン川西岸や東エルサレムも「無視すべきではない」と強調。職員がハマスのテロに関与した疑惑で国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を米英日などが一時停止したことについて、「拠出継続が断固必要だ」と訴えた。ヨルダンには約230万人のパレスチナ難民が居住している。