日EUの経済安保強化で合意 中国念頭に太陽光パネルや半導体などの調達で「共通の原則」
日EUの経済安保強化で合意 中国念頭に太陽光パネルや半導体などの調達で「共通の原則」
日本と欧州連合(EU)は2日、フランス・パリで閣僚級による「日・EUハイレベル経済対話」を開催した。経済安全保障で重要となる半導体などを念頭に戦略物資の調達で連携を強化することなどを盛り込んだ共同声明を採択した。安価な中国製品が市場で台頭していることが背景にあり、米国とも連携し公正な競争を促す。
経済対話は2日に始まった経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会に合わせて行い、日本から上川陽子外相と斎藤健経済産業相、EUからはドムブロフスキス上級副委員長が出席した。共同声明には「透明、強靱(きょうじん)かつ持続可能なサプライチェーン(供給網)の構築」を推進することを盛り込んだ。
半導体のほか電気自動車(EV)、エネルギーの脱炭素化に欠かせない太陽光パネルや風力発電の風車などでも中国勢は存在感を増す。その強みを生かして中国が貿易に制限をかけ、他国の政策に圧力をかける「経済的威圧」につながる恐れもあり、こうした脅威に日欧で協力して対処する方針を確認した。
具体的には、戦略物資関連の公共調達や企業への補助金支出に関する「共通の原則」を策定。特定国に依存しないことや、環境への配慮、サイバー攻撃への対応などの条件が盛り込まれた。
戦略物資の調達を巡っては4月に岸田文雄首相とバイデン米大統領との間でも供給網の強化などで連携を深めることを確認している。