日本ハム「新庄式」の新常識！子供たちに見せたい得点法 8回“せこせこ”1安打で逆転

＜オ・日＞8回、逆転のホームを踏んだ中島卓を大喜びで迎える新庄監督（撮影・井垣　忠夫）

　◇パ・リーグ　日本ハム6―3オリックス（2024年5月5日　京セラD）

　豪快なアーチはファンを魅了するが、野球は本塁打を打たなくても得点できる。「せこせこ野球」を掲げる日本ハム・新庄監督が、子供たちに小技を絡めた得点の奪い方を披露したのは、1点を追う8回だった。

　四球と安打に2盗塁を加えて迎えた1死二、三塁。代打・石井は二ゴロも、ギャンブルスタートとして打者のインパクトの瞬間にスタートしていた三塁走者・田宮が、相手送球ミスを誘って同点のホームを踏んだ。さらに1死一、三塁で松本剛のスクイズで勝ち越し。わずか1安打ながら2点を奪い逆転に成功し、林ヘッドコーチは「（作戦に）しっかり準備してくれている」と成長に目を細めた。

　過去2年間、新庄監督はチームに細かな作戦を植え付けてきた。一、三塁での重盗や2死からのセーフティースクイズ、満塁でのエンドランなど。誰の目にも奇異に映ったが、泥くさく1点を奪う姿勢は浸透した。8回のスクイズは初球失敗から一度はヒッティングに切り替えるも、カウント2―1から再び敢行して相手の意表を突いた。松本剛も「もしかしたら、もう一回あるかなと思っていた」と心の準備を整え、対応してみせた。

　再び今季最多タイの貯金5に戻した。首位ソフトバンクと2・5ゲーム差を守り、6日から敵地での首位攻防3連戦。新庄監督は「この流れで明日も行きま～す！」と威勢良く球場を後にした。まだ序盤だが、今年は期待感が漂っている。（清藤　駿太）

　▼日本ハム・杉浦（7回2死三塁で救援し打者1人を空振り三振に抑えて2年ぶりの勝利投手）ラッキーというか、野手がいいところで点を取ってくれたので周りに感謝です。