地盤隆起で漁船転覆、海岸が真っ白に ドローンで見た輪島の漁港
地震による隆起で海底の岩が露出し、乾燥した海藻などで白く変色していた。鹿磯漁港(右)では漁船が座礁していた=2024年2月16日午前7時32分、石川県輪島市鹿磯、ドローンで溝脇正撮影
能登半島地震で地盤が隆起した石川県輪島市門前町の鹿磯(かいそ)漁港。16日、ドローンで上空から見ると、漁港内で漁船1隻が転覆し、3隻が海底に乗り上げたままになっていた。4メートル近い隆起が発生したと見られ、周辺の海岸では海底が露出、海藻などが乾燥して岩場が白く変色した異様な光景が広がっていた。
海底が隆起し、消波ブロックや岩が露出した鹿磯漁港。漁船(中央下)が転覆していた=2024年2月16日午前8時22分、石川県輪島市、ドローンで溝脇正撮影
鹿磯漁港はイカ釣り漁船の拠点になっていて、シーズンの5月以降、多いときで県外の60隻が利用している。現状、復旧のめどは立っておらず、石川県漁協門前支所の山本繁さんは「何もかも、全部が大変。今後どうなるか分からない」と肩を落とす。
県によると、県全体の69漁港のうち60漁港で防波堤や岸壁などが損傷した。22漁港では、地盤隆起で海底が露出したり、水深が不足したりしているという。(溝脇正、長島一浩)