世界に1点だけ現存 琉球国王の「玉冠」を期間限定で一般公開
国宝に指定されている琉球国王の「玉冠(ぎょくかん)」が、3日から15日までの期間限定で、那覇市歴史博物館で特別展示されます。
「玉冠」は琉球国王が重要な儀式の際に身につけたとされるもので、那覇市歴史博物館は毎年ゴールデンウィークに合わせて一般公開しています。
「玉冠」はかつて複数存在していたことが確認されていますが、東京に移り住んでいた尚家(元琉球国王の家系)が保管していたもの以外は79年前の沖縄戦で失われ、現存するのは世界でただ1つだけです。
今年3月には琉球国王の肖像画「御後絵(おごえ)」が米国から返還されましたが、その国王が被っているのが今回公開される「玉冠」の可能性もあるということです。
那覇市歴史博物館 山田葉子 学芸員
「戻ってきた御後絵にも玉冠が描かれていまして、玉の並び方が非常に似ている。ですので、もしかしたら御後絵に描かれている玉冠が当館が保管しているこの玉冠かもしれない」「玉冠と御後絵を並べて、見比べて調査していきたい」
複数存在したとされる「玉冠」は沖縄戦の混乱の中で戦利品として持ち出された可能性もあり、今回御後絵が返還されたことで、玉冠もアメリカのどこかで保管されていないか、期待が高まっています。玉冠は3日から15日まで那覇市歴史博物館で見ることができます。