ハマス「休戦案受け入れ」…「要求からかけ離れている」と反発のイスラエルは軍事作戦を続行
6日、ガザ南部ラファで、イスラエル軍の攻撃を受け立ち上る煙=ロイター
【エルサレム=安田信介】イスラム主義組織ハマスは6日、声明を出し、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止などを巡る交渉で提示された休戦案を受け入れると明らかにした。イスラエル側は「イスラエルの要求からかけ離れている」と反発した。ガザ最南部ラファでの軍事作戦も続行した。昨年10月の戦闘開始から7日で7か月となった。先行きが不透明な情勢が続いている。
ハマスは声明で、最高幹部イスマイル・ハニヤ氏が仲介役カタールのムハンマド・サーニ首相、エジプト総合情報庁のアッバス・カメル長官と電話で会談し、休戦案の承諾を伝えたとしている。
ロイター通信がハマス幹部の話などを基に報じたところによると、休戦案には42日間の戦闘休止や、段階的に人質の解放などを行うことが含まれるとされる。
これに対し、イスラエル首相府は声明で、ハマスが合意した休戦案について「イスラエルの要求を満たすにはほど遠い」と反発した。ロイター通信は、エジプトが提案した内容が「弱められた」ものだとのイスラエル政府高官の見方を報じた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は合意の有無にかかわらずラファへの地上侵攻を強行する構えだ。イスラエルの戦時内閣は6日、ラファでの軍事作戦の続行を決定した。イスラエル軍は空爆も行った。
戦闘休止を巡る交渉は続くとみられ、カタール外務省の報道官は代表団を7日、エジプトに派遣すると明らかにした。イスラエルも代表団を派遣する。
一方、イスラエルによるラファ東部の住民に対する退避勧告を巡り、エジプト外務省は「重大な人道的危険を伴う」として、イスラエルに最大限の自制を要求した。サウジアラビア外務省は「血なまぐさい組織的な動きだ」と批判した。