イスラエル首相、あくまでハマス壊滅を目指す…ガザ北部境界の検問所は開き物資流入
1日、イスラエルとガザの境界近くに集まるイスラエル兵=AP
【エルサレム=安田信介】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は1日、イスラム主義組織ハマスとの人質解放などをめぐる交渉について、戦闘終結を含む合意を受け入れない方針を明らかにした。地元紙タイムズ・オブ・イスラエルなどが伝えた。
報道によると、ネタニヤフ氏は同日、エルサレムで行われた米国のブリンケン国務長官との会談で表明した。パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへ侵攻する意向を改めて強調し、あくまでもハマスの壊滅を目指す方針を示した。
エジプトなどの仲介で進む交渉は、イスラエルとハマスの主張の隔たりが目立っている。米紙ニューヨーク・タイムズは1日、ハマス幹部が現状のイスラエル側からの提案に否定的であるとの見方を報じた。AP通信はエジプト政府高官の話として、ハマスがガザからのイスラエル軍の完全撤退を確実にするため、文言の修正を求めていると伝えた。
一方、イスラエル軍は1日、ガザ北部との境界にあるエレズ検問所を開いたと明らかにした。昨年10月にハマスの攻撃で破壊されて以来初めての開通で、食料などを積んだヨルダンからのトラック30台がガザ北部へ入ったという。