「絶対に許さない」「引退してほしい」…楽天から安樂が去ったのに、それでも止まない「憎悪」の理由
パワハラがなくなり、野球が楽しい
後輩選手たちへのパワハラ行為が球団に認定され、楽天を自由契約となった安樂智大。その後、消息が伝わることはなかったが、先日、今季は再起を目指してメキシカンリーグでプレーする見込みとの報道がスポーツ紙でなされた。だがメキシコ以外にも韓国や台湾球界、国内の独立リーグなどにも売り込みを行うも話がまとまらないなど、再スタートは険しいものと言えそうだ。
その一方で、安樂がいなくなった楽天のキャンプはすこぶる雰囲気が良くなったという。
今季から指揮を執る今江敏晃新監督
「キャンプって、こんなに楽しいんですね!最高です!野球って楽しいですね‼」
キャンプイン直後から、そういって声を弾ませていたのは安樂のパワハラ被害に遭っていた若手投手の1人だ。担当記者も、チームに漂う空気の違いを肌で感じたという。
「やっぱり雰囲気が明るくなって、特に若手投手陣は生き生きとしていました。昨年まではキャンプ中でも休みの前日などに安樂に半ば強制的に飲みに連れていかれ、いわれのない説教をされたり、自慢話を聞かされて太鼓持ちをさせられていましたからね。野球に集中できる環境になって、シーズンに向けたいい準備ができているんだと思います」
被害選手たちは安樂が自由契約になっても一様に「絶対に許さない」と口をそろえ、安樂が家を引き払って仙台を去った後も、その動向に神経をとがらせていたという。
「早く引退発表してくれないかな」
「彼らは間違っても安樂とは二度と一緒に野球をやりたくないという思いが強い。だから安樂を拾ってくれる球団が出てこないどころか、練習場所の確保すらままならないことを伝え聞くと安堵していた。
安樂もあれこれアマチュアのチームなどを当たったものの、どこも協力したがらなかったようです。そのことが週刊誌などに漏れて表に出れば、世間から『あんな奴に練習場所を提供するなんて、なにを考えているんだ』と批判を浴び、炎上しかねないですからね。一時、安樂は野球を続けるのが難しい状況に立たされていた。
そんな窮状を知っても『早く引退発表してくれないかな』と話す選手もいたほど、安樂への嫌悪感は強い。メキシコという遠く離れた地であっても、安樂が野球を続けることに複雑な思いを抱いているんです」(前出・担当記者)
安樂を自由契約にしたことを発表した際、楽天の森井誠之球団社長は「彼の人生のすべてを否定するわけではない。所属していた選手なので今後、しっかり見てあげたい」とサポートする考えがあることも明かしていたように、今回の一件で安樂の野球の道をすべて閉ざしてしまうのはどうかという意見もある。
ただ、被害選手にしてみれば、そこまで考えてしまうほど深い傷を負わされてしまったのだ。
そして、もう一人。安樂のパワハラを見て見ぬフリをしていたのではないかとの疑いを持たれた、安樂をかわいがっていた田中将大にも変化が生じているという。
後編記事『「安樂パワハラ問題」でイメージ悪化した田中将大の「異変」とさらなる「心配事」』で詳述します。