北朝鮮が日本海へ弾道ミサイル 「中距離級」が日本のEEZ外落下か
北朝鮮
防衛省は14日午後3時ごろ、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。海上保安庁は午後3時10分ごろ、防衛省からの情報として、すでに落下したとみられると発表した。政府関係者によると、発射されたのは1発で、日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落ちたとみられるという。
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北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは、昨年12月18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル1発を発射して以来。北朝鮮はその前日にも短距離弾道ミサイル1発を発射した。いずれのミサイルも、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。
一方、昨年11月には弾道ミサイル技術を使って軍事偵察衛星も打ち上げ、地球周回軌道に投入。北朝鮮の朝鮮中央通信は昨年末、金正恩(キムジョンウン)総書記が2024年に軍事偵察衛星を追加で3基打ち上げる方針を示したと報じた。防衛省は昨年4月から地対空誘導弾「PAC3」の運用部隊を沖縄県に、迎撃弾「SM3」を載せたイージス艦を東シナ海に展開する警戒態勢を続けている。
韓国軍の合同参謀本部も14日、北朝鮮の平壌付近から午後2時55分ごろ、日本海上に向けて、「中距離級」の弾道ミサイルと推定されるミサイル1発が発射されたと発表した。米国や日本と協力して詳細な状況を分析中という。
日米韓は昨年12月、北朝鮮のミサイル発射に関する情報を3カ国がリアルタイムで共有するシステムを稼働させている。(成沢解語、ソウル=稲田清英)
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能登半島地震の被災地を視察するため、石川県を訪問中の岸田文雄首相は14日、北朝鮮が弾道ミサイルの可能性があるものを発射したことについて「状況の把握と国民に対する適切な情報提供、船舶等の安全の確保、不測の事態に的確に対応するように万全を期すという3点の総理指示を出した」と述べた。石川県庁で記者団に語った。林芳正官房長官とも電話で協議し、今後の対応に万全を期すように指示したことも明らかにした。首相は「状況をしっかり確認した上で、政府としての対応を確認したい」とも語った。(岡村夏樹)