干満差生かす古式漁スクイ 家族連れら600人体験 島原の海岸
スクイを体験する人たち=2024年5月5日午後0時22分、長崎県島原市の長浜海岸、松下英爾撮影
干満の差を利用した古式漁「スクイ」を体験するイベントが5日、長崎県島原市の長浜海岸であり、家族連れなど約600人が伝統の漁を楽しんだ。
スクイを体験する参加者=2024年5月5日午後0時8分、長崎県島原市の長浜海岸、松下英爾撮影
スクイは干満の差が大きい有明海の海岸に築いた石垣の中で、干潮時に取り残された魚やタコなどを取る漁。江戸時代には島原半島にスクイの石垣が数多くあったが、漁船漁業の発達や海岸線の整備で、今では長浜海岸の1基のみが残されているという。
イベントは、この伝統文化を残そうと「みんなでスクイを造ろう会」(楠大典会長)が主催し、今年で12回目。参加者が浜辺を清掃した後、タイやイサキ、タコなどが放流されると、泳ぎ回る魚をすくったりタコを素手でつかみ上げたり、周囲約300メートルのスクイの中は歓声に包まれた。
父親と参加してマダイをすくった馬場凰介さん(6)は「初めて来てうれしかった。焼き魚にして食べたい」と笑顔を見せた。(エリアリポーター・松下英爾)