債券は下落、円安進行で日銀政策変更を警戒ー10年入札無難観測が支え
(ブルームバーグ): 2日の債券相場は下落。米国市場で長期金利が上昇したことに加え、円安進行を受けて日本銀行による国債買い入れの大幅減額や早期追加利上げへの警戒感が高まり、売りが優勢だ。半面、10年国債入札を無難に終えるとの観測が相場を下支えしている。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、10年国債入札は7月の日銀金融政策決定会合に向けた投資家のスタンスを測る上で重要だと指摘。前回6月入札が順調だったことや、金利水準が直近のピーク近くにあることから「無難に終えて相場のサポートとなる」とみている。
財務省は2日、10年利付国債(375回債)の入札を提示。発行予定額は前回と変わらずの2兆6000億円程度。表面利率は1.1%と、前回の0.8%から引き上げた。
長期国債先物9月物は一時前日比28銭安の142円37銭に下落 |
新発10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)高い1.075%、一時1.08% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、円安進行により「相応の規模」への警戒感が増幅されるとともに、7月利上げ観測も強まっているように見受けられるとし、「入札を無難通過しても10年債相場の上値の重さは拭われない」との見方を示している。
長期国債先物の取引推移
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