「オーストラリア人」と「アメリカ人」が「最高」と大絶賛した日本食「ピネライス」の正体
食の体験が日本旅行の目的のひとつに
2024年6月19日、日本政府観光局(JNTO)が発表した5月の訪日外客数(推計値)は3,040,100 人となった。今まで同月過去最高であったコロナ禍前の2019年の数を20万人以上も上回り、9.6%増となった。
そして、月間300万人を超えるのは3月、4月に続き3か月連続だ。1年の中でも訪日外国人旅行者数が多い桜のシーズンは過ぎたが、好調が続いている。この流れについて、JNTOは「一部市場において学校休暇を含む連休にあわせた訪日需要の高まりがみられた」ことに加え、「東アジアでは韓国、東南アジアではシンガポール、欧米豪・中東地域では米国などで訪日外客数が増加した」ことが押し上げ要因となったとしている。
訪日外国人観光客は何を目的に日本を訪れているのかというと、近年は買い物よりも体験を重視する外国人観光客が多い傾向にあるようだ。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」の「訪日外国人旅行者が訪日前に期待していたこと」を見ると、「日本食を食べること」がトップで、80%を超える。そして2019年と2023年を比較してみると、2位の「ショッピング」がプラス6.7%の伸びだったのに対し、「日本食を食べること」は13.1%の伸びとなっている。
これに次ぐ伸び率は、「日本酒を飲むこと」のプラス10.8%だ。このほかにも、「日本の歴史・伝統文化体験」や「日本の日常生活体験」など、体験への関心が高まっていることがわかり、それが大きな観光資源のひとつになっていることが見て取れる。
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旅行先としては依然として東京、大阪、京都の3都市に集中しているが、政府観光局の調査によれば、東アジアや東南アジアからの旅行者の8割はそれ以外の地域への旅行を希望しているといい、大都市以外の地域体験にも外国人観光客の目が向けられているようだ。
「日本食」というと和食がイメージされるが、ラーメン、うどん、お好み焼き、焼きそばなどの安価で庶民的なB級グルメもある意味日本ならではの食だろう。B級グルメにはご当地グルメも多く、その地域でしか食べられない、その地域で食べるからこそおいしいという、「はるばる訪れる価値」も魅力となっている。
この記事では、訪日外国人観光客や日本に住む外国人に日本食を紹介する人気YouTubeチャンネル「Momoka Japan」の動画の中から、ご当地B級グルメを取り上げた動画を紹介する。80万回以上再生された人気動画「【激旨!】外国人が初めての洋食を食べてみた!」だ。
チャンネルのファンから愛される3人組
「Momoka Japan」でインタビューが行われるのはだいたいいつも東京だが、今回の舞台は京都だ。Momokaさんのインタビューを受けたのは関西を旅行している3人組で、オーストラリア出身のキャメロンさんと、ハワイ出身のアレックスさん、アメリカ出身のエリックさん。実は「Momoka Japan」で出会い友達になった3人だ。
チャンネルのファンからは「この三人組きたぁ!!みんな元気そうでよかった。仲良さそう」、「別の国から来た3人がももかさんを通して仲良くなり京都旅行とか…素敵です!このチャンネルやっぱり素晴らしいですね」、「是非このメンバーでシリーズ化をお願いしたい。このトリオ…神過ぎ!」といった声もあり、動画に何度か登場する個性豊かな外国人インタビュイーの存在もチャンネルの魅力のひとつになっていることがわかる。
そんな3人を案内したのは、京都名物ピネライス発祥の洋食店で、昭和45年創業の歴史あるお店「キッチン・ゴン」だ。料理が運ばれてくるまでの話題は、3人の関西旅行について。この日3人は伏見稲荷大社へ行ったそうで、キャメロンさんは「ずっと行きたかった場所。今日は夢を叶えられてすごくうれしかった」と話す。キャメロンさんにとって京都は兄が一番好きな都市だそうで、「京都の伝統的な雰囲気が日本を表していて好きだ」と語っていたという。
そして、関西が初めてのエリックさんは「関西はいかしてる。東京とバイブスが全然違う!」と興奮気味に語ってくれた。さらにMomokaさんが「都道府県ごとにご当地グルメがあることに気づいた?」と尋ねると、エリックさんは「ご当地グルメは知っていたけど、ご当地マスコットキャラクターは知らなかった。マスコットキャラの概念おもしろすぎる」と、大阪のビリケンを挙げた。
京都のB級グルメ「ピネライス」とは?
ビールで乾杯したところで運ばれてきた料理を紹介しよう。Momokaさんは3人に、「ピネライスって何だと思う?」と尋ねた。「ピスタチオライス」、「パイナップルライス」、「ピザとライス」など3人は予想するが、正解はチャーハン(焼きめし)の上にカレーソースがかけられ、ポークカツレツがのせられた食べ物で、「キッチン・ゴン」の看板メニューだ。
名前の由来について、公式サイトの紹介によれば、「創業者の権藤吉彦が海外での修行中にトンカツを出した所、フランスの方からカツをもっと小さく小さく(フィネ、フィネ)スラングで(ピネ、ピネ)と聞こえていた」ことから“ピネ”ライスと名付けられたそうだ。今回はピネライスのほかに、洋食の定番のハンバーグやカニクリームコロッケもチョイス。
まず3人にはピネライスを勧める。「このカレーうまい!カツはやわらかい。食べやすいトンカツ。しかもチャーハンとカレーの組み合わせがいい。うますぎる。もっと知名度が上がるべき」と次々感想が飛び出すのはキャメロンさん。エリックさんも「撮影を忘れて夢中になってしまいそう。食レポは君(キャメロンさん)に任せる」と続く。
そしてハンバーグも、「味が濃厚」「舌ざわり最高」と好評だ。「肉肉しいのにこんなにやわらかいのはすごい」とアレックスさん。カニクリームコロッケも頷きながら味わい、3人とも10点満点中10点の満足の食事だった。
登場が初めてでないぶん、3人のコメントはさすがで、過不足がない。視聴者からは「この3人はホントに良いコンビで優しさが伝わってくる&拝見してて楽しい気持ちになりますね」、「エリックさんのリアクションは楽しすぎるし、キャメロンさんの食レポは分かりやすいし、アレックスさんは笑顔がかわいい!是非またお願いします」、「もうこの三人は月1で出て欲しい」「この三人は最高の中の最高だッ!もっと見せろ!見せるんだ!」と、次の登場を待ち望む声が目立っていた。
チャーハン、トンカツ、カレー、どれもひとつだけで十分満足できるみんな大好きなメニューだが、あれもこれも一度に数種類味わいたいという欲張りの希望を叶えるのが「ピネライス」は、京都では有名だが、他の地域での知名度は高くない。キャメロンさんの言うとおり、「もっと知名度が上がるべき」なB級グルメのひとつだろう。
さらに連載記事<カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言>もぜひご覧ください。