ブガッティの最新ハイパーカーはV16エンジンと3つのモーターを搭載
新たに発表されたブガッティのトゥールビヨン。
- ブガッティは、V16エンジンと3つのモーターを搭載した1800馬力のハイブリッドハイパーカー「トゥールビヨン」を発表した。
- その名は、高価な精密時計によく見られる複雑な機構にちなんで名付けられたという。
- 「トゥールビヨン」の価格は380万ユーロ〜の予定。
ブガッティ(Bugatti)は新たなフラッグシップ・ハイパーカーとなる「トゥールビヨン(Tourbillon)」を発表した。2016年に発表され、最近生産が終了したばかりのブガッティのハイパーカー、シロン(Chiron)の後継モデルとなる。
トゥールビヨンは、フォルクスワーゲン・グループ(Volkswagen Group)が開発した、ブガッティの特徴でもあった4つのターボのついたW型16気筒エンジンを20年ぶりに廃止し、V型16気筒のハイブリッドという新しいパワートレインを採用したモデルとなる。
「トゥールビヨンはあらゆる点で比類なきものでなければならなかった」と、ブガッティのエミリオ・シェルボ(Emilio Scervo)CTOはプレスリリースで述べている。
「我々の哲学は、シロンのあらゆる側面を取り入れて、それを高めることだった。時代を超越した傑作を届けるために、エレガントで洗練されたエンジニアリングソリューション、そして新しいテクノロジーを求めている」
フォルクスワーゲン・グループは2021年にこのフランスのスーパーカーブランドであるブガッティを切り離し、現在は、クロアチアのEVスーパーカーメーカー、リマック(Rimac)とポルシェ(Porsche)が共同出資する新合弁会社「ブガッティ・リマック」(Bugatti Rimac)の一部となっている。
ブガッティのヴェイロン(Veyron)やシロンの名が過去の有名なレーシングドライバーの名前にちなんでいたのとは異なり、トゥールビヨンはハンドメイドの複雑な精密時計の機構にちなんで名付けられている。ちなみに、トゥールビヨンの腕時計の価格は数十万ドル(数千万円)にもなる。
トゥールビヨンはまだテスト段階にあり、顧客へ届けられるのは2026年になる予定だという。
そのスタイルは紛れもなくブガッティそのもの
2台のブガッティ トゥールビヨン。
トゥールビヨンのスタイリングは、現行車シロンの美学から進化している。トゥールビヨンはブランドのシグネチャーである馬蹄形グリルと、車体側面のカーブしたCを模したブガッティラインを継承している。
ブガッティのブランドロゴが埋め込まれたカーブ状のライトストリップ
コーナーでブレーキングするブガッティ トゥールビヨン。
ブガッティによると、トゥールビヨンのデザイナーは、「時代を超越したブガッティ・アトランティック(Bugatti Atlantic)のような不朽の美しさを持つ車を作りたい」という願いと、時速250マイル(約402㎞/h)超えが可能な車の空力性能を確保することとのバランスを追求したという。
電動開閉のスイングアップドアを装備
ドアを開けた状態のトゥールビヨン。
これは、従来の外開きのドアを採用していたヴェイロンやシロンとは異なる。
過去のブガッティ車と大きく異なるエンジンを搭載
トゥールビヨンのV型16気筒エンジン。
今回のトゥールビヨンは、新たに開発された排気量8.3リッターV16自然吸気エンジンに3基の電気モーターで構成されたハイブリッド仕様で、合計1800馬力を発生させるという。
伝説的なイギリスのエンジニアリング会社コスワース(Cosworth)の協力を得て開発された新しいV16気筒エンジンは、ブガッティの旧エンジンに搭載されていた4つのターボの助けを借りずに1000馬力を発生し、9000回転/分に達する。
3基の電気モーターはフロントアクスルに2基、リアアクスルに1基搭載され、合計で800馬力の最高出力を発生する。容量25kWhの油冷式のバッテリーと組み合わせることで、トゥールビヨンは最大37マイル(約59.5㎞)の距離を電気だけで走行する。
トゥールビヨンは、新たに特注の8速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ後輪を駆動し、そのパワーを路面に送り込む。
世界で最も豪華なカーボン製モノコックフレームのインテリア
ブガッティ トゥールビヨンの車内。
その名の通り、トゥールビヨンの車内は機械式時計における3大複雑機構のひとつ、トゥールビヨンにインスパイアされており、アナログの文字盤を前面に押し出してデジタル表示を隠している。
インテリアの中心はメータークラスターパネル
ブガッティ トゥールビヨンの計器類。
このトゥールビヨンの計器は、スイスの時計職人の協力を得て設計・製作され、チタンやサファイア、ルビーなどで作られた600以上の部品で組み上げられている。
メーターはハンドルの中心に取り付けられており、ハンドルはメーターを中心に回転する。
これは時計の精度を高めるトゥールビヨン機構にちなんだものだ。腕時計のトゥールビヨンは通常、時計内部の部品をキャリッジと呼ばれるケース内にまとめ、規則的な周期でキャリッジを回転させている。
デザイナーは驚くようなスピードでテクノロジーが進化していることを知っている
トゥールビヨンの格納式インフォテインメントスクリーン。
今日は現代的に見えても、明日は難解に見えることもある。その結果、インフォテインメントスクリーンのようなテクノロジー的な要素は使用しないときには格納できるようになっている。
ブガッティはトゥールビヨンを250台生産する予定だ
後方から見たトゥールビヨン。
トゥールビヨンの価格は380万ユーロ (約6億5186万円)410万ドル)からになる予定だという。