パパ活で「2200万円」を貯めた、40歳シングルマザーが罹った「病気」の名前…その後自粛に追い込まれました

夫婦の3組に1組が離婚していると言われて久しい日本。厚生労働省が発表した資料によると、令和3年度のひとり親世帯は、母子家庭が119.5万世帯、父子家庭は14.9万世帯と依然としてシングルマザー世帯が圧倒的に多い。

その年収も男性が平均606万円、女性は373万円とおよそ230万円もの差があり、就業状況の内訳をみれば、男性の約9割が正規雇用なのに対して、シングルマザーは約5割、約4割がパートやアルバイト等で生活を凌いでいる。

写真：iStock

これら状況を受け、現在は児童扶養手当制度の改正や住宅手当、医療費助成制度、児童育成手当など、さまざまな支援が施行されているが、それらは、あくまで子どものための支援である、その親が再スタートを切るために人生設計を改めることで考えれば、補助的なものだ。

これは、シングルマザーに限った話ではないが、男女の正規雇用比率が抜本的に変わらない限り、その年収格差が埋まるワケでもなく、その金銭的不安はそのまま本人の「この先の人生」に直結する。

タイプも様々なパパたち

結婚後、育児ノイローゼに陥り離婚に至ったシホさん（仮名・40歳）は、パパ活で生計を立てるシングルマザーだ。シホさんがパパ活を始めたいきさつは＜“パパ活”で生活を凌ぐ、40歳シングルマザーの「全財産」…相場平均2万円でコツコツ貯めた「驚きの金額」＞で明かした通りだが、贅沢を好まないシホさんは、相場平均2万円でコツコツとお金を貯め、現在は約2200万円の財産をもつ。

定期的に会う男性は約10人。複数のアプリに登録し一回限りで終わる関係にも対応するなどして、コロナ前は月収も30万円に達していたそうだ。途中で様々なパパが入れ替わったりするものの、現在も8人の安定したパパがいるという。

「Aさんは50代の既婚者で、学生のお子さんがいらっしゃいます。体の関係は年に数回ですが、毎月私の車にガソリンを入れるだけのために会ってくれます。とても助かっているし、欲をかいて縁を切らしたくないので、他のパパの半額の1万円だけ貰っています」

高級外車を乗りこなす一方で、ポイント収集やお得情報には目がないAさんはお金にキッチリした性格で、シホさんから提示された1万円というお手当に満足しているという。

妻子にもバレておらず家庭は円満、仕事も順調そうなAさんには心に余裕もあり、関係の目的も「ひとり親の子育て支援がメインのよう」とシホさんは言う。

「Aさんは、遊んでいる感じが漂う、女性の扱いも上手な茶目っ気のある優しいパパです。でも、どうやら私へのお手当に会社の経費を使っているようなんですよね。本人は会社にはバレないと話していますが、正直それが心配です」

シホさんの家庭の事情を知るAさんだが、自身にも家庭があるためそれ以上の付き合いは求めてこない。そのサッパリした関係がちょうどいいとシホさんは話す。

写真：iStock

シホさんも娘をAさんに会わせることはしていないという。基本的にはAさんの聞き役にまわり、自分の子どものことは聞かれたら話す程度だ。その一方で、バツイチで独身の60代、Bさんとは娘と会わせることもあるそうだ。

「パパ活を始めて間もない頃からお付き合いのあるBさんとは、私のほか娘もお世話になっています。3人で食事に行ったり、遊園地や映画館に連れて行ってもらったり。私が長距離の運転が苦手なのを知って、Bさんが申し出てくれたんです。

Bさんとは3ヵ月に1度くらいの頻度で会っています。お手当は1回2万5000円。そのほかにも子どもの誕生日プレゼントや、学用品も買ってくれます。

若くは見えるのですが、やっぱり20歳以上も年が離れているので、娘も”親切にしてくれるおじさん”という感覚で馴染んでいます。まだ小さいころからの付き合いなので、懐いていますし、これからも仲良く過ごせたらいいなと思っています」

「お手当」以外にも支援がある

業界用語では、いわゆる良パパと呼ばれる2人だろうか。そんなシホさんも、本格的に始めた約4年間のパパ活のなかでは、コンドームを使っていても性病に罹ったり、撮影に同意した動画が流出する可能性に怯えたりと、それ相応のリスクも背負いこんでいる。

「実は少し前に子宮頸がんの初期手術をすることになり、パパ活を自粛しなくてはならなくなりました。その時に、3年ほどお付き合いのあるCさんから、自社で経理の仕事をしないかと言われたんです。これは以前から誘われてはいたものの、お断りをしていたんですが、この病気を機に考えを改めました。

Cさんは奥さんがいるけど子どもはおらず、月に1回程度、お手当は2万円で契約している会社経営者の方です。経理の仕事は、短時間で時給も1000円程度と決して高くはないのですが、シフトの融通がききますし、気心も知れているのでとても働きやすいので、病気が落ち着いても働き続けるつもりでいます」

子宮頸がんの初期手術をしてからは身体のことも考え、以前のように積極的にパパ活はせずに療養につとめているシホさん。そのため収入も下がったが、意外なところでパパ活のメリットが発揮されていると話す。

「今は新しいパパは探していません。今お付き合いしているのは、どなたも3年以上の関係を築いていて気心も知れており、頑張ってつなぎ留めておかなくてもよい方たちばかりです。そのお陰で安定したお手当が見込めています。

お手当のほかにも、ケーキやスイーツのお土産を買って会いに来てくれたり、お正月にはお年玉もくれます。欲しいものは誕生日プレゼントで買ってもらったり、株主優待の金券を定期的にくれたり、家電が壊れたら援助してもらうなど、長年の関係が様々な形に変わって、たくさんの援助をしてもらっているんです」

シホさんのパパたちは既婚者が多く、最初から割り切った関係でスタートしている。しかしどんなに割り切った関係であっても、関係が深まれば”それ以上”を求めてしまうのが色恋の常だ。そのため過去には、一方的な恋愛感情をもたれたこともあったが、その都度、自身の態度を微修正しながら今まで続けてきたと話す。

「恋愛感情を持たれないように『ありがとう』とは言っても、『好き』とは絶対に言いません。パパからの長文メッセージには、短文で返信するかスタンプで返送して誤解を与えないようにしています。

その代わり、一緒の時間を過ごしている時は満足してもらえるように気配りは心がけています。今後もパパ活を続けるか、特に期間は決めていませんが、なるべく長く続けたいとは思っています。身体が続く限り、私に需要がある限りでしょうか」

4年前に「自分は結婚に向かない」と決意したシホさんは、今でも恋人も再婚もするつもりがないとキッパリ言う。

「パパ活の収入はコロナもあって以前に比べると半額の15万円前後ですが、経理のお仕事の収入も5万円程度あるので、生活に困ることもないんです。もしパパ活で稼げなくなっても最低限の暮らしが確保できれば、それで満足です。貯金をしているのも、すべて子ども将来にためですし」

パパ活の収入が安定した現在、次なる収入源の種は「今年から始めた商品モニターです。コスメを中心に色々な商品を試せるのが楽しい」と話すシホさん。無料で商品を提供してもらい、SNS等で口コミの体験談を書いている。

パパ活に対しては様々な意見がある。短期間で大金が得られるメリットがあるように言われるが、シホさんのように性病や動画流出、またストーカー化や、金銭トラブルなどのリスクを込みで考えれば、本当に妥当な金額かは疑問だ。

現在は安定しているように見えるシホさんも、パパ活を始めた当初は薄利多売に勤めて月収は30万円。この金額が高いのか、安いのか。その判断は読者に委ねたい。

さらに＜「東大卒エリート」と略奪婚した、29歳の専業主婦が、その後パブニングバーで「男漁りの生活」に闇落ちするまでの一部始終＞では、人生の落とし穴にはまった女性を実例を紹介します。