県の姿勢を疑問視、構想に反対も 病院再編構想で2回目の住民説明会
宮城県が開いた住民説明会では参加者から質問や意見が相次いだ=2023年12月23日、仙台市青葉区
【宮城】県が主導する仙台医療圏の4病院再編構想をめぐり、2回目の住民説明会が23日に開かれた。県は、1回目の住民説明会から5日後の22日、仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合について病院側と基本合意を結んだばかり。こうした県の姿勢に、会場からは「(住民説明会は)アリバイ作りだ」などと疑問を投げかける声が上がった。
説明会で質問する参加者=2023年12月23日、仙台市青葉区
構想では、県立精神医療センター(名取市)と東北労災病院(仙台市青葉区)を合築し、富谷市に移転する。名取市内には同センターの分院を設置する方針。説明会は東北労災病院近くのホールで開催された。
冒頭、伊藤哲也副知事が、同センターと労災病院についても年度内の基本合意を目指すことを説明。
構想に反対する参加者が「(17日の初回説明会では)ガス抜き的に聞いたに過ぎない。説明会の位置づけを聞かせてもらいたい」と尋ねると、伊藤副知事は「基本合意の段取りで動いていたが、17日の説明会の時点では不透明な段階だった」と釈明した。
県側は、仙台市内に病院が集中していることや、赤字経営が続く現状を説明。その上で、合築・移転で救急搬送時間が短縮されることや、精神疾患患者の身体合併症への対応も向上させられることなど、再編の意義を強調した。
こうした県の説明に、参加者からは「人口が集中する仙台市に病院が集まるのは当たり前」「地域と病院は一体。移転ではなく、すでにある病院を機能強化すればいい」と反対する声が相次いだ。
「これだけの不信を招いているのだから、最後まで質問に答えて」との声もあり、県は終了予定を約25分延長。9人の質問が終わると「会場の関係で」と終了した。
説明会後、伊藤副知事は「これがベストだと思っている」と構想の大枠を変えるつもりははないことを改めて示した。(福留庸友)