SPORTS BAR シニアツアーを見て実感…ゴルフって〝生涯スポーツ〟なんです! 初参戦の不動裕理が漏らしたレギュラーツアーとの〝違い〟
シニア初参戦で優勝した不動裕理(左)は、79歳で5度目のエージシュート達成の岡田と〝大谷ポーズ〟!?=27日、千葉市
懐かしい姿。ティーイングエリアに立つ。方向を定め、グリップの握りを確認し、豪快にスイングした。距離は270ヤード越え―。現役時代と変らぬぶっ飛び。かつて女子ゴルフ界を席捲したツアー24勝の福嶋晃子、50歳である。先週26日から2日間で開催された女子ゴルフシニア大会(45歳以上)、レジェンズツアーの「太陽生命 元気・長生きカップ」(千葉)でのワンシーンである。
ツアー18勝の平瀬真由美(54)は2日目、71のアンダーパー。「今年のベストが出た~」と叫んだ。今月の「フジサンケイレディスクラシック」で、初優勝から2週連続優勝した竹田麗央(21)の叔母として知られるが、そのフォームは往年を思わせた。そして何より印象的だったのは、どの組も他の選手のいいプレーを喝采して喜ぶ姿。和やかなシーンの連続であった。
シニア初参戦の不動裕理(47)が、2日目に自己ベストの62のビッグスコアをマークして初優勝。ツアー50勝の実力者は、レギュラーツアーとの〝違い〟にこんな感想を漏らした。「先輩方のプレーの速さには戸惑いました。JLPGAツアーでは最初にセカンドを打ってグリーンに歩いていましたが、今回は気が付くといつの間にか3人打ち終わっていた」
近年、女子ツアーではセットアップに時間をかける〝遅延〟がささやかれる。大事な一打、それによって大きく状況が変わるが、シニアはボール地点に行ったらサッと打つ。不動は続けた。
「結果にこだわりながらも、みんなで一緒に頑張ろうっていうゴルフもあるんだなって。62で回れたのも一緒に回った先輩たちの励ましと応援のおかげです。刺激を受けました。このゴルフを忘れないよう、『私は若い』って思ってやります」。シニア初参戦で気づいた教訓を得て、5月2日開幕「ワールドレディスサロンパスカップ」(茨城)に参戦する。
最後に…。グランドシニアの部で、79歳の岡田美智子が初日78で回って、5度目〝エージシュート〟を達成。ツアー1期生、10勝の超ベテラン。「死ぬときはナイスショットを打った後か、長いパットを入れたときがいい」と。人生100年時代、ゴルフは生涯スポーツといわれるが、そのお手本がいた。そしてみんなが輝いていた。 (産経新聞特別記者・清水満)