阿部巨人「1年目からV狙い」鮮明 “完全試合OB”が看破したキャンプメンバー振り分けの真意
ドラ1ルーキー西舘も一軍からスタート(C)共同通信社
巨人は22日、2月の春季キャンプの概要を発表し、阿部慎之助監督(44)率いる初の春季キャンプのキャッチフレーズを「笑うアベには福来たる」と設定した。
20日に発表されたメンバーの振り分けにも新監督の「色」が出た。
ドラフト1位の西舘勇陽(21=中大)と全て社会人となった2位以下を合わせた支配下新人5人が全員一軍スタート。一軍39人のうち、ソフトバンクからトレードで加入した高橋礼と泉、オリックスから金銭トレードで加入した近藤、阪神から現役ドラフトで移籍した馬場、前阪神の中継ぎ右腕ケラーら11人の「新戦力」も一軍発進となったのだ。
一方で直江、横川、松井、井上ら昨季一軍を経験した「若手有望株」は、そろって二軍スタートとなった。
巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言った。
「ここ2年間は原監督で連続Bクラス。阿部監督の1年目は、なにがなんでも勝たせたい球団はだからこそ、トレードなどで積極的に即戦力を補強し、サポートしている。阿部監督にしても『即戦力は何人いてもいい』とテレビで話していた。オフに補強した高橋礼やケラー、ドラフトで指名した即戦力ルーキーを1人残らず一軍スタートにしたのは、真っ先に新戦力を見極めたい、即戦力度をチェックしたいからです」
昨年期待された左腕の有望株・井上ら若手の抜てきが少ないのも、阿部監督の「優先度」が違うからだという。
「2020年から2年間ほど二軍監督を経験しているだけに、若手育成の重要性は知りつつも、チームが過渡期に差し掛かっていることも承知している。2年連続Bクラスで監督の座が回ってきただけに、とにかく勝つことを優先させたい。今年は一軍キャンプで若手を試す機会が減るかもしれません」(高橋氏)
阿部監督はこの日、獲得が発表されたメジャー通算178発の外野手・オドーアについても「一日でも早く来て欲しい。キャンプをやるのとやらないのとではまったく違うから」と熱望。それもこれも「新戦力のチェック」が最優先だからだ。キャンプメンバーの振り分けに「まずは結果」という新指揮官の強い意思が表れている。
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評論家・高橋善正氏は1971年に1奪三振で完全試合を達成。関連記事【もっと読む】…は、2022年にロッテ佐々木朗希が完全試合をした際に高橋氏が本紙に寄稿したコラムだ。佐々木朗に対し、「羨ましい、と素直に思う」言い切り、もっとも評価するポイントとは…。