藤あや子さん、子宮体がん公表 50~60歳代の発症率高く 過去に三田佳子さんも罹患
子宮体がんを公表した藤あや子さん
演歌歌手の藤あや子さんが7日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、初期の「子宮体がん」と診断され、子宮と卵巣の全摘手術を受けたことを報告した。子宮体がんは、子宮の内側を覆う子宮内膜と呼ばれる場所に発生するがん。生理が終わった50~60歳代の罹患が最も多く、不正出血の症状が多くみられる特徴がある。過去には俳優の三田佳子さんや原千晶さん、西丸優子さんのほか、平成26年に49歳で亡くなった中川安奈さんが患っていた。
国立がん研究センターが公表している資料などによると、子宮がんは、子宮奥の赤ちゃんを育てる体部内側に発生する「子宮体がん」と、子宮の入り口部分の頸部にできる「子宮頸がん」に分類される。子宮がんのうち約7割程度を子宮頸がんが占める。
発症年齢や原因などに違いがあり、子宮体がんは女性ホルモンのバランスが崩れ、子宮内膜の増殖を促すエストロゲンの働きが過剰になることで発症する。妊娠や出産経験がなかったり、過度なダイエットで発症リスクが高くなるとされ、不正出血や月経不順の症状で早期発見できる。進行すると、性交時の痛みや腰痛、下肢のむくみなどの症状が出ることもある。検査は子宮奥の細胞を採取するため、痛みが生じることもあるという。
一方の子宮頸がんは、20歳代後半~40歳代の罹患率が高く、主に性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となっている。早期にはほとんど自覚症状がなく、進行すると不正出血や下腹部の痛みが現れる。検査では、膣から近い子宮頚部の細胞を肉眼で採取できるので、痛みはほとんど感じない。
進行具体によって治療方法は変わるが、ともに子宮や卵巣・卵管、リンパ節を摘出する手術や放射線治療、薬物療法が行われる。
国立がん研究センターが1月に公表したデータによると、がんと診断された人の10年後の生存率では、子宮体がん全体で79・6%、子宮頸がん全体で68・1%となっている。