米領空を侵犯した偵察用気球などに関わった中国37企業・団体、バイデン政権が禁輸リスト追加
【ワシントン=田中宏幸】2023年に米国の領空を侵犯した中国の偵察用気球の飛行計画や、米国の量子技術の入手に関わったとして、バイデン米政権は9日、中国の37企業・団体を、米企業による製品や技術の輸出を事実上禁止するリストに追加すると発表した。リストは14日に発効する。
バイデン米大統領(4月12日、ワシントンで)=AP
米商務省によると、中国版の全地球測位システム(GPS)を開発する「北京BDスター・ナビゲーション」を含む航空・宇宙関連企業や、「中国電子科技集団」の研究機関などが対象となる。
このうち11社は、23年2月に飛来して米軍に撃墜された偵察用気球の飛行計画を支援していた。このほかの企業・団体は、米国製の無人航空機システムや量子技術などの入手に関わっていた。
バイデン政権は中国が米国の技術を軍事転用する動きを強く警戒している。商務省高官は声明で「今回の措置は、米国の重要な技術資産が敵対勢力に取得・使用されないように保護するものだ」と強調した。