米大統領選、トランプ氏再選なら「好影響大きい」は1社のみ 1割余は「悪影響大きい」 主要企業アンケート
米大統領選、トランプ氏再選なら「好影響大きい」は1社のみ 1割余は「悪影響大きい」 主要企業アンケート
11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選した場合の影響について、主要企業110社のうち「好影響の方が大きい」と考える企業は1社にとどまることが5日、産経新聞の企業アンケートで分かった。多くの企業が影響を測りかねる一方、1割余りが「悪影響の方が大きい」と回答。再選を明確に「マイナス」と捉える企業の方が多い状況が明らかになった。
アンケートは4月上旬~下旬に実施。110社から回答を得た。
米大統領選でトランプ氏が返り咲いた場合の期待や懸念など事業への影響を尋ねたところ、多い順に「分からない」32%▽無回答28%▽「どちらとも言えない(プラスとマイナスが同程度)」27%-と明確に見通せない企業が多かった。一方で「悪影響の方が大きい」は11%に上り、「好影響の方が大きい」(1社)を大きく上回った。
トランプ氏はバイデン政権の政策を転換する方針を表明しており、保護主義的な姿勢を強める公約を多く掲げている。
特に環境・エネルギー分野では、自身の1次政権時に脱退し、後継のバイデン政権で復帰した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から再び離脱する方針。世界の脱炭素に向けた機運にブレーキがかかるとみられ、日本企業の取り組みにも影響する可能性がある。
実際、トランプ氏の再登場時に関心対象となる政策分野(複数回答可)は、環境・エネルギー規制が51%で最多だった。
次いで対中国政策49%▽関税政策46%▽ウクライナ支援27%▽移民や外国人の入管政策13%-となった。同氏は対中強硬姿勢や関税の強化もうたっており、中国事業や対米輸出を手掛ける企業の警戒心もうかがえる。
一方、「好影響の方が大きい」と回答した1社(金融・保険業)は、トランプ氏が掲げる政策について「金融市場、ひいては実体経済においても好影響を及ぼす蓋然性が相応にある」とした。(福田涼太郎)