築地を東京の新たな顔に、５万人収容のマルチスタジアム「本物の臨場感」…再開発で会見

記者会見に臨んだ（左から）読売新聞グループ本社の山口寿一社長、三井不動産の植田俊社長、トヨタ不動産の山村知秀社長（１日午後、東京都内で）＝杉本昌大撮影

　築地市場跡地（東京都中央区）の再開発を担う事業予定者となった三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社は１日、都内で記者会見を開き、築地を東京の新たな顔として国際交流拠点にする方針を明らかにした。

　記者会見の冒頭、三井不動産の植田俊（たかし）社長は、隅田川や浜離宮恩賜庭園と一体的に親水空間を整備し、築地場外市場など周辺エリアと連携するため、「ＯＮＥ　ＰＡＲＫ×ＯＮＥ　ＴＯＷＮ」を街づくりの理念に掲げたと説明。「東京の国際競争力を高め、都民に愛され、世界中から人々が集まる街にしたい」と意気込みを語った。

　計画では、〈１〉約５万人収容のマルチスタジアムを中心にした感動と交流〈２〉ライフサイエンス分野の技術革新〈３〉日本の食文化の発信――などを目指し、約１９ヘクタールの跡地に会議場やホテル、オフィスなど計９棟を配置する。

　中核となるマルチスタジアムは全天候型で人工芝を使用。用途ごとにフィールドの形状を変える「可変性」「多機能性」が特徴で、読売新聞グループ本社の山口寿一社長は「それぞれの競技やライブに最適な空間に変化し、観客は本物の臨場感が得られる。国際的に知られる施設を目指したい」と強調した。野球では、米大リーグのほか、アジア地域の国際試合の開催を検討する方針を示した。

　大屋根を太陽光パネルと緑で覆い、海側から風を呼び込む。隅田川を望む南側を全面ガラス張りにし、水辺との一体性、開放性を持たせる。約５０室のＶＩＰルーム、計約７０００平方メートルのラウンジを備え、多数の車いす席も設ける。

　２０２６年度に先行にぎわい施設、３０年代前半にスタジアムなど大半の施設の開業を目指す。