田淵幸一氏 DeNA・筒香の2三振に見えた「目切りの早さ」…本来の姿に戻るにはもう少し時間かかる
<D・ヤ>4回、見逃し三振に倒れた筒香(撮影・会津 智海)
◇セ・リーグ DeNA2―6ヤクルト(2024年5月8日 横浜)
【田淵幸一 視点】2日前に劇的な一発を放ったが、本来の姿に戻るにはもう少し時間がかかる。それがDeNA・筒香の打席を見た印象だ。
2三振は一つが内角直球を見逃して、もう一つがど真ん中のスライダーを空振り。いずれも「目切り」が早い。なぜか。軸足である左足に体重をグッと乗せ、「いらっしゃい」と呼び込む「間」がないからだ。そのために早く目を切ってしまう。地面に根が生えたような「粘り」がない。
米国ならではの悪い癖も目についた。3打席目の空振り三振もそうだが、とにかく力んで振っている。筒香ほどの打者になれば、そこまで振らずとも打球は飛んでいく。しかし、米国ではメジャー、マイナーとも球場は日本より広く、投手の球も速い。力に対抗するためのフルスイングが「力み」に映った。
4年以上のブランク。その間に日本でも投手のレベルは格段に上がり、特に中継ぎ投手など150キロ超が当たり前になった。日本のプロ野球も決して甘くない。やや辛口かもしれないが、筒香にはやらなければならないことがたくさんある。(スポニチ本紙評論家)