水俣マイクオフ問題、再懇談は「十分な時間で」 室長らは続投
環境省が1日の水俣病患者らとの懇談のために作成していた進行表。中央部分に対応方法の記載がある。タイトルは「水俣病関係団体との懇談シナリオ」
水俣病患者らの団体と伊藤信太郎環境相の懇談の場で、環境省職員がマイクの音を切るなどして団体側の発言を遮った問題をめぐり、伊藤氏は10日の閣議後会見で、改めて設定する懇談の場では「発言の時間も十分に確保する」と述べた。また、問題を起こした特殊疾病対策室の態勢を強化するが、現時点で室長らは変更しないとした。
閣議後会見で記者の質問に答える伊藤信太郎環境相=2024年5月10日、東京・永田町、市野塊撮影
伊藤氏は8日に団体側に謝罪した際に懇談の場のあり方を再考するよう求められたことや、岸田文雄首相から9日に丁寧な運営を指示されたことを挙げ、再設定する懇談は「十分な時間を取れる日時でやりたい」と述べた。時期は「できるだけ早く」とした。今後は毎年5月にある慰霊式に限らず、大臣や省幹部らが現地を訪問し、懇談する機会を多くつくっていくという。
また、環境省の水俣病対応の態勢を強化すると説明。担当審議官を置き、現在12人の特殊疾病対策室の人員を増やす。ただ、問題を起こした室長や、現地にいた環境保健部長は続投させる。部長や室長への処分は、現時点では口頭で注意したのみだという。