杉良太郎&伍代夏子夫妻が石川・能登島で炊き出し 黒毛和牛肉うどんなど振る舞い
能登半島地震の被災地、能登島で炊き出しを行った左から杉良太郎、伍代夏子夫妻=石川県七尾市能登島鰀目町
歌手で俳優、杉良太郎(79)と妻で歌手、伍代夏子(62)夫妻が26日、能登半島地震の被災地である石川県七尾市能登島で炊き出しを行い、黒毛和牛肉うどんや焼きそばなど約300食を振る舞った。
日中でも4度と冷え込む中、温かい湯気と香ばしいソースの香りが漂う。杉はうどんの湯切りをし、伍代が盛り付けて仕上げた。倒壊家屋も目立つ能登島鰀目(えのめ)町の漁港には高齢者の住民らが集まり、ホッとした笑顔で味わった。
現在は能登島のある能登地方を中心に約2万1800戸が断水。杉は当初、同町と同野崎町にトイレ用水の支援を計画したが、下水道が完全復旧していないため断念し、炊き出しに切り替えた。
夫妻では東日本大震災などで炊き出しを行い、1~2月にかけて2人でそれぞれ1度ずつ、金沢市内の避難所で実施。杉によると、今回は「一緒の方が喜ばれる」と夫婦で訪れた。杉はこれまで現場の状況に応じて支援してきたが、「準備でこれだけ難しかったのは初めて」と説明。それでも、断水で家事に支障がある家庭向けに、焼きそばを持ち帰りの容器にするなど工夫した。
杉は神戸市出身で、1995年の阪神・淡路大震災で母親が被災。その経験から「被災者はがまんしてしまうので、時には辛さも吐き出してほしい」と呼びかける一方、「『被災地の皆さん、がんばってください』だけでは国家としてはまずい」と災害対応システムの構築を提案。この日は三つ子のパフォーマー、佐藤三兄弟も参加した。