早紀江さんの写真示し「時間がない」…拉致被害者家族会、ワシントンで切迫感訴え
米政府関係者らとの会談でも示した母早紀江さんの写真を手に、拉致問題の早期解決を訴える横田さん(中央)(4月30日、米ワシントンで)=淵上隆悠撮影
【ワシントン=淵上隆悠】北朝鮮による拉致被害者家族会のメンバーら訪米団が4月30日、ワシントンで記者会見を開いた。親世代の高齢化で切迫感が高まっていることを米政府関係者らに伝え、問題解決に向けて連携することを確認したと明らかにした。
訪米団は、ダニエル・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)や前駐日大使のウィリアム・ハガティ上院議員らと面会した。横田めぐみさん(拉致当時13歳)の弟で家族会代表の横田拓也さん(55)は、一連の会談で母早紀江さん(88)の写真を示しながら「時間がない。どうしても会わせてあげたい」と訴えたという。
会談では、親世代が健在のうちに「全被害者の一括帰国」が実現すれば、北朝鮮に対する独自制裁の解除に反対しないとする家族会の新たな方針についても説明を重ねた。拓也さんによると、米側から反論や異論はなかった。