日パラグアイ首脳会談、中国念頭に「力による一方的な現状変更許されない」との認識で一致
3日、パラグアイの首都アスンシオンで、サンティアゴ・ペニャ大統領と握手する岸田首相(右)=ロイター
【アスンシオン=阿部雄太】岸田首相は3日午後(日本時間4日午前)、訪問先のパラグアイの首都アスンシオンでサンティアゴ・ペニャ大統領と会談した。両首脳は台湾に軍事的圧力を強める中国を念頭に「世界のどこにおいても力による一方的な現状変更は許されない」との認識を共有し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて連携していく方針を確認した。
パラグアイは南米で唯一、台湾と外交関係がある。首相のパラグアイ訪問は2018年の安倍首相以来で、中国の覇権主義的な動きを踏まえ、連携して対応する狙いがある。首相は共同記者発表で「国際社会が複合的な危機に直面する中、自由、民主主義、法の支配などの価値を共有するパラグアイとの関係の重要性が高まっている」と強調した。
会談では、パラグアイやブラジルなどで構成する関税同盟「南米南部共同市場(メルコスル)」と日本が、幅広い分野で経済関係を強化することでも一致した。