新潟県上越市でコウノトリのヒナ誕生 野外での孵化は県内で初の確認
観察を続けている市民が5月6日に撮影したコウノトリのつがい=新潟県上越市吉川区、市教委提供
国の特別天然記念物コウノトリのヒナが、新潟県上越市吉川区で誕生した。市教育委員会が6日に発表した。国内の野生のコウノトリは1971年に絶滅した。保護活動などによって孵化(ふか)が確認される地域も広がっており、野外での孵化は新潟県内では初めてという。
市教委によると、田園地帯の電柱に営巣しているのがわかったのは4月2日。観察をしてきた住民が今月6日午後、つがいの様子を動画撮影してコウノトリの保護・繁殖に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)に送ったところ、ヒナに餌を与える行動などが見られたため、孵化したと判断した。
つがいには同公園が着けた個体識別用の足輪が付いており、豊岡市内で孵化した4歳オスと5歳メスという。上越市教委は「静かに温かく見守ってほしい」と呼びかけている。(北沢祐生)