新卒7割が九州の外へ 半導体高度人材の不足深刻、調査で浮き彫りに
「九州半導体人材育成等コンソーシアム」の第4回会合=2024年2月27日、熊本市中央区、江口悟撮影
2023年春に卒業して半導体関連企業に就職した九州の高専生や理工系大学院修了者は7割前後が九州域外で職を得ていた――。九州全域で深刻な半導体人材不足の一端を示す調査結果が、27日に熊本市で開かれた「九州半導体人材育成等コンソーシアム」の第4回会合で報告された。
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調査結果によると、九州の理工系の学校を23年春に卒業して半導体関連企業に就職した推計約2400人のうち、半数近くの約1100人が九州外で就職。高度人材ほど域外への流出が顕著な実態も示された。
高専生の67・5%、修士の64・9%が九州外の国内で就職。博士は77・9%が九州外で就職し、24・2%は海外で職を得た。一方、工業高校生は56・1%が県内で、九州内は72・4%。大学学部生も57・2%が九州内で就職していた。
調査は九州で理工系教育を行う計166の教育機関を対象とし、105機関の回答から推計値を算出。22年度の企業側への調査では、九州では毎年約3400人の半導体人材が必要とされ、改めて人材供給不足が浮き彫りになった。