投資家・バフェット氏、AIによる詐欺「史上最高の成長産業になる」…皮肉を込め警鐘
ウォーレン・バフェット氏(2019年5月5日撮影)=AP
【ニューヨーク=小林泰裕】米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は4日、AI(人工知能)による詐欺行為が「史上最高の成長産業になる」と皮肉を込め、急速な利用の拡大に警鐘を鳴らした。AIを核兵器にたとえ、危険性も強調した。
米ネブラスカ州で開かれた自身の率いる投資会社、バークシャー・ハザウェイの株主総会で明らかにした。
バフェット氏は最近、精密に再現された自らの画像と声を見つけたと話し、犯罪に悪用されれば詐欺の恐れがあると指摘した。「AIには良いこともあるが、悪いことをもたらす可能性も膨大にある」と述べた。
米国では生成AIサービスを手がけるマイクロソフトやグーグルなどの株価が上昇し、歴史的な株高を先導している。バフェット氏は、アップルを除いてAI企業への投資には比較的慎重な姿勢を取っている。
バークシャーは、日本の5大商社株に投資している。バフェット氏は、「非常に満足している。圧倒的な説得力があった」と述べ、各社の経営を評価した。