巨人の阿部監督「やり返すつもり」だったヤクルト戦、3番吉川が先制ソロにピンチ救う好守や好走塁
巨人2―1ヤクルト(セ・リーグ=10日)――巨人が競り勝ち3連勝。一回に吉川のソロで先行し、七回に小林のソロで加点した。戸郷が2連勝。バルドナードは来日初セーブ。ヤクルトは反撃が遅かった。
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巨人は3度、三塁まで走者を進めた場面であと1本が出なかった。打線がつながらなくても接戦をものにできたのは、2本のソロ本塁打があったからこそ。「こういうのも野球」と阿部監督。一回、吉川が放った先制アーチが大きな一発になった。
1回2死、先制のソロ本塁打を放つ吉川=黒瀬祐生撮影
1番の丸が見逃し三振、2番の佐々木俊輔(日立製作所)も3球で右飛に倒れ、二死走者なしで打席へ。ボールを動かしながら攻めてくるヤクルト・ヤフーレの内角に食い込むカットボールを迷わず振り切ると、高々と上がった打球は右翼席に達した。今季初アーチに「先制できて良かった」と控えめに喜んだ。
ヤフーレは4月29日に3安打完封を許した相手で、吉川も3打数無安打に抑えられた。ヤクルトにはその試合から3連敗を喫していただけに、「やり返すつもり」(阿部監督)で臨んだ一戦。初回に浴びせた先制パンチに続くように、打線は7安打を放ち、七回には小林の3季ぶりとなる本塁打につながった。
開幕から主に8番を務め、一時は打率2割台前半に沈んだ吉川。ただ、4月28日のDeNA戦から3番を任されると、時にバットを短く持つなど試行錯誤をしながら、これで7戦連続安打とした。二岡ヘッド兼打撃チーフコーチは「迷いがある打席もあるけど、形は悪くない」と見る。
7回無死、長岡のゴロを好捕し、アウトにした2塁手・吉川
本人は「チームが勝つために何とか毎日必死でやっている」と言う。七回の守りではジャンピングスローで好守を見せ、八回の打席では相手守備の隙を逃さず、単打で二塁に進む好走塁を披露。吉川が本領を発揮し始めた。(浜口真実)