家のなかでいちばん電力を消費する家電とは?5月から電気代値上がりへの備え
5月から値上がりすると言われている電気料金。夏が本格化する前に対策を考えておきましょう。電気料金が上がる理由、そして節電効果が高い家電を買い替えるコツについてアドバイス。教えてくれたのは、節約アドバイザー・丸山晴美さんです。
5月分の請求で上がると言われている電気代…対策は?(※写真はイメージです)
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5月から電気代が値上がりする?その理由と対策
5月から電気代が値上がりすると言われています。その理由は2つあります。
1つに、政府の物価高騰対策として行われてきた、電気料金とガス料金の負担軽減措置が5月で一旦終了する方向で進んでいるから。この負担軽減分がなくなることで、電気料金とガス料金の負担が増えるということです。
2つめに、2024年の5月分から来年4月分までの再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が、1kWhあたり1.40円から3.49円へ値上げされるためです。たとえば、月260kWhを使用する標準的な家庭の場合、543円の負担が増えます。
とは言え、今の季節4月、5月はエアコンの利用がなく、日照時間も長くなるため、電気やガス料金はそれほど負担に感じないかもしれません。しかし、来る夏の電気代の負担は強くなることは必至です。
夏の節電テクニックと言えば、上手に冷房を使うことですが、もし10年以上、同じ家電を使っているなら、節電効果が高い家電に買い換えを検討するといいかもしれません。そうは言っても、近年の家電の値上がりで今年の買い替えに二の足を踏んでいる方も多いかと思います。今回は、お得に家電を買い換える方法やテクニックを7つ紹介します。
1:電力消費割合が高い家電から買い換える
資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「家庭でできる省エネ」の資料を参考に編集部作成
上の図は、夏季と冬季の家電製品別一日での電力消費割合です。こちらからもわかるように、エアコン、冷蔵庫、照明の順に電気の消費の割合が高いため、買い換えて節電をするのであれば、これら3つから買い替えを検討してくといいでしょう。
参照元:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「家庭でできる省エネ」より
2:優先順位を決める
家電を見る女性
家電を買いそろえるのは住宅購入時や引っ越しといったタイミングで、という人は多いでしょう。家電製品の所有年数がほぼどれも同じということに。一度にたくさん買い直すとなると、大変な出費に。もっとも、大型家電ならたったひとつの買い替えでも、ある程度まとまった資金が必要になります。
たとえば、ファミリータイプの冷蔵庫やドラム式の洗濯機は30万円~と、どちらも購入したら60万円を超えてしまいます。あらかじめ家電の買い替えの予算を貯めている人はいいですが、もしそうでないなら、購入の優先順位を決めてそろえていくといいえでしょう。
調子が悪いもの、買って10年以上経過したもの、消費電力割合が高いものを優先にしていく、などです。
3:「統一省エネラベル」をチェックする
統一省エネラベルの説明(画像元:資源エネルギー庁より)
家電選びで見るべきは、「統一省エネラベル」です。注目ポイントは3つあります。
(1)多段階評価点の高い順に5.0~1.0までの41段階の数字と☆の数で表示。省エネ性能が高いものほど5に近い数字となり、ひと目で省エネ性能がわかります。
(2)省エネ達成基準をどれほど満たしているか家電によってわかります。
(3)年間目安エネルギー料金も表示されているので、家庭の予算によって選びやすくなっています。
これらを参考にしながら、機能や性能、使いやすさ、金額、ポイント付与率、保証期間などトータルでお得になるように選ぶとよいでしょう。
参照元:資源エネルギー庁 小売事業者表示制度より
4:「省エネ家電」補助金制度を調べる
特定の「省エネ家電」買い換えることで、補助金がもらえることも。東京都の「東京ゼロエミポイント」では、2024年9月30日までの購入分の、省エネルギー性能が高いエアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具に買い替えた都民の方へポイントを付与しています。付与されたポイントは、商品券とLED割引券に交換することができます。
ほかにも栃木県佐野市では、2025年1月31日まで「佐野市省エネ家電購入支援補助金」として、省エネ基準を満たしたエアコン、冷蔵庫、照明器具、補助対象経費の30%、上限2万円を補助しています。
お住まいの自治体などで同様の補助金制度があるかもしれません。ただし、予算に達すると早期に終了することもあるので、利用を検討している場合は、お住まいの自治体のHPなどでチェックしておき、購入と申請タイミング、必要書類を確認して早めに申請しましょう。
5:“型落ち”製品を狙う
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家電製品は、毎年のように新しいモデルが登場します。つまり、昨年のモデルの在庫は型落ちとして、安く売られることになります。
冷蔵庫などの白物家電は10月~12月頃、テレビなどの黒物家電は5~7月頃に発売されるため、その前後が狙い目と言えます。型落ちとは言え、製品としても省エネ性能としても基準を満たしていれば、問題なく使用できます。
家電量販店のアウトレット専門店もありますので、店舗やサイトでチェックしてみてもいいでしょう。ただし、必ずしも欲しいと考えている商品が売られているわけではありません。あったらラッキー、なくてもこだわらずあるものの中から選べる人ならおトクに買えそうですね。
6:決算期を狙いつつ、ちょっとしたテクニックを使ってみる
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家電量販店の決済期は3月、9月もしくは2月、8月のところがほとんどです。この時期は値段交渉のチャンスです。とはいえ、2月、3月は引っ越しシーズンでもあるので、値引き交渉が難しいことも。
値引き交渉しやすいコツに、1つの家電だけではなく、複数の家電を購入して、まとめて安くしてもらうというものがあります。1つだけですと、値引きがしにくいものも、複数購入することで、お店側が値引きの調整がしやすくなるためです。
また、ヤマダデンキが運営する「ヤマダウェブコム」では、ヤマダデンキが指定する他販売店の通販サイトに掲載されている商品価格より高い価格で販売されていたら、商品詳細ページ右の「価格交渉をする」アイコンから24時間チャットにて価格交渉をすることができます。
●冷蔵庫や洗濯機は9月、エアコンはシーズンオフが狙い目
冷蔵庫や洗濯機といった白物家電を購入するなら、型落ちが出やすく、中間決算期でもある9月に値引き交渉するのも一案でしょう。また、エアコンは、オフシーズン購入が値段交渉の狙い目です。
●エアコンは夏前に稼働のチェックを
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夏に必須なエアコンは、夏前には一度稼働させて、異音がしないかなどのチェックをして、気になるなら早めに修理点検、必要なら買い換えを検討してくのがベスト。毎年のように、真夏にエアコンが故障してしまい、新しいエアコンが設置されるまでに時間がかかって大変だったという話もよく聞きますので、ハイシーズンになる前の6月までには稼働してチェックしておくといいでしょう。
●長期保証に加入するのがおすすめ
また、購入時は保証も忘れずにつけましょう。白物家電といった毎日使う家電製品かつ高額なものは、長期保証に加入しておくことをおすすめします。少しの金額やポイントを上乗せするだけで、高額な修理費用や買い換え費用を抑えることができます。
7:リファービッシュ製品も検討する
買う際、「リファービッシュ製品」もぜひ検討してみてください。とは、初期不良や一部不具合、配送時のダメージなどが生じたことで、メーカーに返品された商品を、メーカーや第三者機関によって修理・点検を行って再度使える状態にした製品のことです。
たとえば、Amazonの「Amazon Renewed (Amazon整備済み品)」では、パソコンやApple製品、カメラ、ゲーミング用品などを取り扱っていますが、家電メーカーでは、日立やPanasonicなどが行っており、冷蔵庫や洗濯機などを専用のオンラインサイトで購入することができます。
●メリット
リファービッシュ製品のメリットは、中古品よりも状態がいいものが多く、新品よりも安く購入することができます。また、メーカーや販売者の保証がつくのもメリットです。そして、使用できる部品は再利用、再使用されるため、環境にもやさしい商品とも言えます。
●デメリット
必ずしも欲しい商品が売られているとは限りません。在庫状況によっては、手に入らないこともあります。そして、商品によっては見た目にわかるキズや汚れがある場合があるので、気になる方は新品を選ぶとよいでしょう。
昨今の値上げは光熱費だけではなく、あらゆるものに及んでいます。同じ家電を購入するなら、費用対効果が期待できる、省エネ性能が高いものや補助金制度の活用、買い方の交渉やタイミング、リファービッシュ製品などさまざまな面から検討をしてベストなものを選ぶようにして、少しでもおトクにやりくりしていきたいですね。