取材陣も驚き!? 圧倒的な薄さで“複雑機構”を実現! ピアジェ創業150周年を記念したモデルの実力とは
●ピアジェといえば薄型ムーブメント。60年を超える飽くなき挑戦の最進化形
創業以来の長い歴史の中でさまざまな挑戦を重ね、そのたびに洗練を極めてきたピアジェ。中でもとりわけ時計愛好家の間でよく知られているのが、ムーブメントの薄型化への飽くなき追究です。
初めての薄型ムーブメントとして1957年に発表された手巻きキャリバー“9P”においてすでに2mm厚という薄さを実現していたピアジェですが、1960年発表の“12P”では2.3mm厚で自動巻き、36時間パワーリザーブという実用性を提供。
【画像】中身はどうなってるの? 極薄ケースのトゥールビヨンを画像で見る(11枚)
2010年にはマイクロローター搭載の自動巻きモデル“1200P/1208P”を発表、2014年発表の手巻きモデル“900P”ではオフセットさせた輪列をダイヤルと同じ階層におき、地板に見立てたケースバックに据えることでいっそうの薄型化を実現しています。
薄型リューズは特許取得の完全一体型。ケース側面に埋め込まれたリューズは引き出してから専用 ツールで操作する
そして2018年に発表した“アルティプラノ アルティメート コンセプト”では、ついにケースバックとムーブメントの完全な一体化を実現。
これによって時計本体の外寸自体を2mm厚の中に収めるという、機械式時計としては信じられないような薄型化を成し遂げました。
同モデルによって究極の薄型化を実現したかに見えたピアジェですが、その挑戦は未だ終わっていませんでした。
創業より150年という節目を迎える今年、スイスのウォッチズアンドワンダーズ2024で発表されたのは、同じ“アルティプラノ アルティメート コンセプト”の名前を冠したトゥールビヨン搭載のコンプリケーションウォッチ。
本体サイズは41.5mm径・2mm厚ですが、ここに重力から逃れて精度の安定性をより確かなものにする複雑機構の搭載に成功しているのです。
お披露目時に会場の取材陣から感嘆の声が挙がり、「狂気は人を感動させる」とまで言わせた驚異の機構を見ていきましょう。
●わずか2mm厚の本体に複雑機構トゥールビヨンを搭載!
わずか2mmの厚みの中に、トゥールビヨンを含む全ての部品を収めるのは至難の業。
本モデルの制作にあたってはトゥールビヨンキャリッジは70種類以上、アンクルは15種類以上、ケースフレームは30種類以上がテストされたとのこと。
数多の試作を経て完成したレイアウトは“アルティプラノ アルティメート コンセプト”を踏襲するものですが、トゥールビヨンを配置するためにメインダイヤルは上部右寄りに配置。
本体厚はわずか2mm。正真正銘の機械式時計、トゥールビヨン搭載でこの薄さは驚愕のひと言
10時位置にレイアウトしたトゥールビヨンは外周をセラミックス製ボールベアリングで固定され、そのすぐ下には独創的な十字型デザインのスケルトン香箱がおかれています。
常に回転し続けるトゥールビヨンは、調速機搭載のムーブメントと比べてより多くのエネルギーを必要としますが、本モデルではカスタムメイドの主ゼンマイとボールベアリングが効率よくエネルギーを伝えることによってこの課題を解決しています。
さらに全体の厚みに合わせて、風防となるサファイアクリスタルの厚みを表側で0.20mm、裏側で0.16mmまで薄型化するなど、ありとあらゆるパーツにおいて究極のダウンサイジングが実践されています。
もちろん、ピアジェらしい洗練された審美性も間違いなく大きな魅力。
香箱に刻まれた150th Anniversaryの文字、行き届いた細密な仕上げ処理、ダークネイビーとピンクゴールドというリッチな配色など、隅々までピアジェらしいエレガンスが漂う文字通りの逸品です。
●製品仕様
「ピアジェ アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン 150周年記念モデル」
・価格:要問合せ
・ケース:41.5mm径・2mm厚
・ケース:コバルト合金 ブルーのPVD加工
・風防:サファイアクリスタル
・ムーブメント:機械式 手巻き ワンミニッツペリフェラルトゥールビヨン
・駆動時間:パワーリザーブ約40時間
・防水性能:2気圧防水