創業147年の菓子店・開雲堂(青森・弘前市)、5月末閉店 「卍最中」など人気、土手町商店街の顔
5月末で閉店することになった老舗菓子店「開雲堂」=9日午前、弘前市土手町(写真は一部加工しています)
創業147年を誇る青森県弘前市土手町の老舗菓子店「開雲堂」が5月末で閉店することが9日、分かった。店主の体調の問題と跡継ぎ不在が理由という。「卍最中(まんじもなか)」をはじめとする和菓子が人気で、築95年の趣ある建物とともに土手町商店街の顔として愛されてきた。
開雲堂は1877(明治10)年、初代木村甚之助が「木村菓子店」として同市駒越町に創業。看板商品の卍最中は、1906(明治39)年に弘前藩初代藩主津軽為信の没後300年祭を記念して発売した。花見期間限定の「つともち」や、洋菓子の「ロシアケーキ」なども有名。
土手町にある現在の店舗は1929(昭和4)年に新築した。「看板建築」と呼ばれる銅板の外壁が特徴で、外観や内装がほぼ当時のまま残っていることなどから、2019年に市の景観重要建造物に指定された。