冬は要注意。浴室の「寒い!」を防ぐ6つの方法を、お風呂の専門家がアドバイス
冬は要注意。浴室の「寒い!」を防ぐ6つの方法を、お風呂の専門家がアドバイス
冬は、お風呂の環境整備が大事です。脱衣所や浴室に入ったときに「寒い!」と感じるのは、環境が整っていないということ。寒い季節も暖かさをキープしましょう。眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さんに抑えておきたい6つのポイントを伺います。
★前回はこちら★
冬は環境整備が命!!
実は交通事故より多い、お風呂場の事故。血圧の高い人にとって、お風呂は脳梗塞や心筋梗塞を起こす引き金になり、意識が遠のいて溺死するケースもありえます。特に冬場、気温差による血圧変動で起こるヒートショックは、命取りになるので注意が必要です。
そこで重要なのが環境整備。部屋間の気温差をなくすために、脱衣所に暖房機を導入する、風を防ぐ、熱いシャワーで湿度を上げて、浴室内を暖めるなどの対策をしてください。
【1】リビング、脱衣所、浴室の温度差をつくらない
部屋間の気温差が大きいと、自律神経が柔軟に働かず、体温調整がうまくいかないため、血圧が変動しやすくなります。血圧が急変動するとヒートショックを起こし、死に至る可能性もあります。
気温が10℃を下回り、湿度が下がると体感温度はかなり下がるため、脱衣所はもちろん、浴室やリビングも10℃以上をキープしましょう。
【2】脱衣所に暖房機を用意
お湯がなく、乾燥を直接受ける脱衣所は、思っている以上に冷えている場所。気密性の高いマンションはともかく、一戸建てはたいてい寒いので、脱衣所用の暖房機が必需品になるでしょう。
暖房機は、サイズや形状、価格帯もさまざまですが、必ず防水仕様のものを選ぶこと。水分が入ってしまうと暖房機自体が壊れたり、発火の原因になったりします。防水性能「IPX5」と表記のあるものを選びましょう。
【3】脱衣所、浴室の窓は閉める
一戸建ての家は、浴室や脱衣所に窓のあるつくりが多いもの。お風呂に入るときは、脱衣所も浴室も、窓を必ず閉めきりましょう。窓からの風は命取り。体から熱を奪ってしまいます。
浴室の窓を開けたままお湯をためて、そのままお風呂に入ってしまうケースも聞きますが、これほどもったいないことはありません。温熱効果をしっかり得るために、お風呂に入る前に、すべての窓を閉めることを忘れずに。
【4】換気扇はスイッチオフ!
浴室の換気扇から入る風も、体を冷やす原因になります。お風呂場の換気扇をつけっぱなしにする習慣のある家庭は、必ずスイッチを切ってから入りましょう。24時間換気の場合も問題がなければ、お風呂に入るときはスイッチオフ。
浴室暖房機がついている家庭は、使用するのも手ですが、脱衣所をある程度暖めて、浴室はシャワーによるミストで湿度を上げるだけでも環境はととのいます。
浴室がとても寒い場合は、浴室暖房機の導入を検討しては。
【5】水温計で湯温をキープ
湯温は温度設定していても、実際の温度と異なる場合があるので、水温計で確認するとより効果的。普通の入浴なら40度、リカバリー入浴(前回の記事を参照)なら41℃をキープします。
水温計はアナログ、デジタルなど、さまざまな種類がありますが、選ぶポイントは「水に浮くこと」「目盛りは最低1℃ずつ」「デジタルなら少数第1位まで表示」の3つ。
低温や高温になると知らせてくれる、室温も測れるといった多機能なものもあります。
【6】炭酸ガス系の入浴剤を使う
入浴剤の中でも、泡が出る炭酸ガス系は、末梢血管を拡張させて、血液循環を促進するため、温まり度は抜群。温熱効果が高いので、時短にもつながります。
とはいえ、中にはブクブクするだけの遊び要素の強い製品もあるので、しっかりした効果を求めるなら裏面を確認しましょう。
「重炭酸イオン」という文言が入っていればOKです。
基本の入浴は香りのいい入浴剤、リカバリー入浴は炭酸ガス系など、使い分けてもいいですね。
※この記事は「健康」2024年冬号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
監修者
眠りとお風呂の専門家 小林麻利子
SleepLIVE株式会社代表取締役、生活習慣改善サロンFlura主宰、睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員、公認心理師。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、科学的根拠のある最新研究を基に、睡眠や入浴をはじめとした、マンツーマン指導を行い、3750名以上もの悩みを解決。『ぐっすり眠れる、美人になれる! 読むお風呂の魔法』(主婦の友社)など著書多数。