佐賀県玄海町での核ゴミ文献調査、伊万里市長が苦言「周辺の首長に関わりなくやれる」
(写真:読売新聞)
原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定を巡る佐賀県玄海町での動きについて、隣接する伊万里市の深浦弘信市長は7日の定例記者会見で、選定の第1段階「文献調査」実施の手続きについて「今のやり方には非常に疑問がある」と異議を唱えた。
文献調査の実施に際しては市町村長が手を挙げるか、国からの申し入れを受け入れる手続きが必要。この点について深浦市長は「隣接、近隣の首長は何の権限もない。そういう点で不安、不満、危機感がある」と述べた。
また、「(文献調査を)『やりたい』と言えば、周辺の首長に関わりなくやれる。地続きで影響がないわけではない」とし、「おそらく長崎県側、福岡県側の関係する自治体の首長も同じ思いだろう。じくじたる思いではないか」と語った。
玄海町が九州電力玄海原発の立地自治体であることについて、「原子力防災訓練への参加など、隣接市として十分負担をしている。さらなる負担は避けてほしい、というのが本音」と述べた。
■唐津市長も指摘
同様に隣接する唐津市の峰達郎市長も4月26日の定例記者会見で、「最終処分場選定のプロセスに、制度上同じ土俵に上がれない」と同種の指摘を行った。
処分場について「地上には市民が暮らしている。そういう人たちの理解は絶対のことだ」と強調し、「国が責任を持って行う事業なのだから、国が説明責任を果たしてもらいたい」と語った。文献調査に唐津市として手を挙げることについては、「全くございません」と言下に否定した。