佐ノ山親方「兄の代わりになる人はいない」 入院中の元幕下千代の真・澤田賢澄さんとの「最後の一番」断髪式への心境語る【大相撲】
佐ノ山親方
元幕内千代の国の佐ノ山親方(33)=三重県伊賀市出身=が5日、1カ月後に迎える断髪式(6月8日、両国国技館)への思いを語った。
親方の兄で、ネットフリックスのドラマ「サンクチュアリ―聖域―」で俳優デビューを飾った澤田賢澄さん(元幕下千代の真)が、脳幹出血で救急搬送されたのは4月20日早朝。現在も治療が続けられている。
断髪式では兄との「最後の一番」が組まれていた。「兄の代わりになる人はいない。兄だからこそ、自分の思い切りを出して終わることができるので。お客さんのこともありましたが、兄の代わりに誰かというのは、やっぱり思い当たらなかった。それぐらい特別な存在なので」。「最後の一番」は見送ることに決めた。
「自分が入門したときから、その背中を追い続けてきた目標の人」という兄以外は考えられなかった。
兄は断髪式のチケット販売も手伝ってくれていた。「一番親身になって寄り添ってくれて、無条件で味方してくれる。一番の理解者。チケットのことで体に負担をかけたと思う」と親方は申し訳なさそうに話す。
「兄に『無事に終わったよ。ありがとう』と伝えられれば。声は聞こえているのでホッとさせてあげたい。安心させてあげたい。それで喜んでもらえたら」。断髪式を終えたらすぐ、感謝の思いを伝えに行く。