仕事机にグリッパーを置いて、こまめに握力トレーニング。2年間続けてわかったこと
著者はサルコペニアやフレイル、骨粗鬆症などの言葉が気になるお年頃…。学生時代はずっと体育会系で自信があった体力も筋力も、年々落ちていくことを実感しています。
このままではマズイと思い、筋力低下を防いでかつ落ちた分を取り戻すために自宅での筋トレを習慣にしました。
握力の強さは寿命と関係する!?
家トレで最初に取り入れたトレーニングの1つが、握力強化。
「なぜ握力?」と疑問に思われた方、実は握力と長寿には関係があるとのことなのです。
過去の筋トレ記事や運動の習慣化記事でもお伝えしましたが、ミシガン大学の研究によると、驚くべきことに握力が弱いグループは、強いグループと比較して短命である確率が50%も高いことが判明しました。
たしかに、考えてみると握力が低下すると日常生活にいろいろ支障はありそうです。
ペットボトルやビンを開けたり、蛇口をひねったりするのもつらくなりますし、バスや電車で揺れたときにつり革や手すりをしっかり握れなければ、転倒などの可能性も高まります。
自分用のグリッパーをゲット
左から、60ポンド(約27kg)、80ポンド(約36kg)、100ポンド(約45kg)。100ポンドは夫が数年使用しているので汚れが目立つ
そこで、筋トレに関心のある夫と相談して、自分用にCaptains of Crushのグリッパーを買うことに。ラインナップの最低レベルは60ポンド(約27kg)で、サイトでは「初心者、リハビリ用」とされてます。
「テニスに明け暮れていた高校時代には30kgぐらいは握れたはず…27kgは楽勝!」くらいに思っていたら、半分ぐらいまでしか閉じられなくて大ショック!
ちなみに、このグリッパーはとても良い製品で、表面は手が滑らないようにザラザラしています(余談ですが、握る部分にクッションが付いているものは滑ったり、しっかり握りにくいこともあるので個人的にはオススメしません)。
その感触に慣れるために、常に仕事机の上に置いて気が向いたときに握るようにしました。ほかのトレーニングツールと比べて、グリッパーは小さいので場所を取らず持ち運びも便利です。
また、目につくところに置くと、握力アップのトレーニングをするリマインダーになりました。
小さく、無理のない行動を続けた2年後
右手で80ポンド(約36kg)が閉じられるようになりました
そして約2年が経過。
今では60ポンドは両手とも卒業し、80ポンド(約36kg)へ進みました。36kgは右手では閉じられるようになりましたが、左手ではまだ閉じられません。
なので、今のアバウトな目標は左手でも36kgを閉じられるようになり、今年中に100ポンド(約45kg)にトライすること。
以前、スタンフォード大学の行動科学者BJ・フォッグさんの著書『Tiny Habits: The Small Changes That Change Everything』についての記事で、できるだけシンプルに小さい行動を、ルーティンに無理なく組み込むことの重要性について紹介しました。
それに倣い、ハンドグリッパーをデスクに置いてビジュアルの刺激(キュー)にしていつでも使えるようにしたのが、その行動を習慣化するのに役立ったと思います。
変化を実感
その小さな習慣の積み重ねが27kg→36kgという具体的な握力のアップに現れました。
これまでが弱々しかったというわけではないのですが、買い物やゴミなど重いものを持たなければならないときなど握力の強さを実感できて、ささやかな自信を感じられるように。
ほかの筋トレも続けていますが、今は低下したマイナス分を取り戻している感じです。
でも、以前のように「筋力が落ちている」とか「疲れやすい」と感じることは少なくなりました。少しずつでも継続していけば、年齢に関係なく体は応えてくれるんですね。
「トレーニング」といえばジムで機器を使って行なうようなシリアスなものが思い浮かびます。しかし、こんな小さな行動を日常生活に取り入れて習慣化して筋力(この場合は握力)をアップできるなら、「トレーニング」に対する意識も変わっていきます。
そうやって意識と行動のポジティブな変化を、螺旋階段を上がるがごとく、進化させ続けていきたいと思っています。
――2023年6月27日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
執筆:ぬえよしこ
Source: Iron Mind