久保凛、U18日本新で女子800メートルV!鮮やかスパート「今日は100点」…サッカー久保建英のいとこ
女子800メートルをU18日本新記録で制した久保凛
◆陸上 静岡国際(3日、静岡・エコパスタジアム)
女子800メートルで、昨年の全国高校総体を制した久保凛(16)=東大阪大敬愛高2年=が2分3秒57のU18日本新と自己ベストで優勝した。サッカー日本代表MF久保建英(22)=Rソシエダード=のいとことしても知られる久保は、日本女子のエース・田中希実(24)=ニューバランス=に勝利した4月の金栗記念(熊本)に続く連勝を飾った。
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期待のホープが、爽やかに首位でゴールラインを駆け抜けた。久保は「優勝と自己ベスト更新を狙っていました。今日は100点です」と充実の表情を見せた。残り約200メートルで首位に立つと「特に良かった」と自己評価も高かったラストスパートで、追い上げてきた昨年の日本選手権女王・池崎愛里(25)=ダイソー=らを振り切った。「まだ慣れない」と話すシニアとのレースで堂々の連勝。2006年に久保瑠里子が記録した2分4秒44のU18日本記録も18年ぶりに更新した。
早くも日本女子中距離界のトップレベルだ。シニア初戦となった金栗記念800メートルは、東京五輪1500メートル8位入賞の田中に競り勝って優勝し「憧れの選手に勝つことができて、とても自信になりました」。田中も対等なライバルとして久保を意識しており「率直に自分の憧れの選手が自分をライバルというふうに言っていただいて…。とても光栄です」とはにかんだ。
久保の走りを観戦したスポーツジャーナリストの増田明美さん(60)も「いいバネですよね。運動神経の良さがすごい走りに出ていて、スター性があります」と高評価。「田中希実さんも、そういう人が現れるとますます燃えるんじゃないかな。高め合ってくれたら」と切磋琢磨(せっさたくま)でさらなるレベルアップを期待した。
サッカー・久保建英のいとことしても知られるが、自身も陸上界の次世代のエースとして成長し続けている。「6月の日本選手権でも優勝を目指します」と見据えた。「800メートルで世界に通用するような選手になりたい」という未来へ、一歩一歩突き進む。(手島 莉子)
◆久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山・串本町生まれ。16歳。小学1年から6年まではサッカー選手。潮岬中入学時から本格的に陸上を始めた。東大阪大敬愛高に進み、昨年8月には高1で全国高校総体800メートル優勝。初の国際舞台となった同月の日・韓・中ジュニア交流競技会優勝。サッカーで国体出場経験のある父・建二郎さんは、久保建英の父の弟。