世界最速で沈む巨大都市ジャカルタを離れ… インドネシアが開発中の新たな首都「ヌサンタラ」とは
ヌサンタラで進む建設作業。
- インドネシアはその首都をジャカルタからヌサンタラに移転する方針だ。
- 新しい都市の建設にかかる費用は350億ドルで、2045年の完成を予定している。
- ジャカルタは地盤沈没の危機に瀕していて、気候危機が首都移転につながった。
ジャワ島の北西部チリウン川の河口に位置するインドネシアの首都ジャカルタ。
人口約1060万人、都市圏人口は約3000万人のインドネシア最大の都市だ。そして、ジャカルタの約40%が海面よりも低い位置に沈んでいる。
インドネシア政府は、首都をカリマンタン島の東海岸に建設中の新都市ヌサンタラに移転する方針だ。
新しい都市の建設にかかる費用は350億ドル(約5兆5000億円)で、2045年の完成を予定している。ただ、10月の次の大統領就任式までに約6000人の政府職員が移住する見込みだ。
首都移転はこれが世界初ではない。ブラジルは1960年にリオ・デ・ジャネイロからブラジリアに、ナイジェリアは1991年にラゴスからアブジャに首都を移した。
しかし、気候危機が首都移転につながったのは今回が初めてだ。近年、海面上昇によってジャカルタは”世界最速で沈む巨大都市”となり、インドネシア政府は首都移転を決めた。