ユニクロや5000円のブルゾンでお出ましも…愛子さま・佳子さまの「皇室ファッション改革」
ご公務や皇室行事、ご静養などで、皇族方が国民の前にお出ましになられる際、注目されるのがその装いだ。上皇后美智子さまの「ミッチーブーム」、佳子さまの既製ブランドでのコーディネートなど、いつの時代も女性皇族の装いは同年代の女性たちの憧れだった。
そしてこの春、新社会人になられた愛子さまのファッションにも、いま注目が集まっている。前編記事『「皇室ファッション」に新たな動きが…!いま愛子さまと佳子さまの「コーディネート」に注目が集まるワケ』に引き続き、皇室のファッションに詳しい放送作家で皇室ジャーナリストのつげのり子さんに聞いた。
佳子さまの「皇室ファッション改革」
4月1日より新社会人となられた天皇皇后両陛下の長女、愛子さま。
今後はご公務や皇室行事などで国民の前にお出ましになられる機会も増えるだろう。注目されるのがそのお召し物だ。
日本雑誌協会(JMPA)/代表撮影
4月23日に行われた春の園遊会では、両陛下とともに愛子さまも初めて出席された。
愛子さまは桜色の帽子と同じ色のツーピース姿で、春らしさも感じられる装いだ。
これまで女性皇族の公務といえば、春の園遊会でお召しになっていたようなオーダーメイドとみられるツーピースでお出ましになられる印象が強かった。膝丈より少し長めのスカートと同系色のジャケット、帽子とトータルできっちりとしたスタイルが典型的だった。しかし、佳子さまは少し違っていたという。
皇室ファッションに詳しい、放送作家・皇室ライターのつげのり子さんは次のように説明する。
「佳子さまのお召し物は時代に合わせており、『皇室ファッションの改革』のようなことをなさっているんじゃないか、と感じることもあります。なぜなら佳子さまは、清楚で品位を保ちながらも、既製品の洋服をコーディネイトに取り入れるなど、割と冒険的なファッションを意識されているのではないでしょうか。特におしゃれに敏感な若い女性にとって、とても参考になると思います」
新しい世代のフォーマルを実践
これは「女性皇族はこうであらねばならぬ」という、出来上がった皇室スタイルを静かに変えていこう、という佳子さまのお気持ちの表れでもあるとみられる。
「好きなファッションに身を包みたい、という気持ちは年頃の女性なら誰でも持つもの。ご自身のお気に入りのファッションを、公の場にも取り入れたいと考えていらっしゃるのかもしれません。
それだけなく、同世代の女性たちに共感してもらって、皇室への親しみを深めてもらいたい、という佳子さまの思いも込められているのではないでしょうか。
だから皇族の方のフォーマルなスタイルに慣れている私たちにとって、佳子さまのファッションは、とても新鮮で目を奪われてしまいます。ですが、決してカジュアルすぎず、むしろ新しい世代のフォーマルな装いを感じさせます」(前出のつげさん、以下「」内も)
伝統は守りつつも、時代とともに変化をしていく皇室。私たちが目にする佳子さまのスタイルは、言い換えれば時代を映す鏡でもあるという。
「朝ドラの『虎に翼』でも描かれていましたが、以前の日本では、女性は学校を出たら結婚をして家庭に入ることが良し、とされていました。皇室も同じでしたが、今は皇室に生まれた女性も学業を終えると、お仕事をされています。
もちろん、結婚自体を否定されているわけではなく、ご縁があれば皇室を離れる選択をされるでしょう。その時までは、女性皇族として公務に邁進され、お出ましの機会には国民と親しく交流しようと努められています。
佳子さまのスタイルは、皇室と国民の垣根を越えて、その距離をより近づけることに役立っているのではないでしょうか」
プライベートではユニクロやGUも
佳子さまのように若い一人の女性として、多くの国民と触れ合うことが期待されているのが愛子さまだ。
今後はお出ましの際、佳子さまのようにご自身のスタイルを確立されていくのではないだろうか。お好きなお洋服を着て、考え方も時代に合わせたものを示される可能性も十分に考えられる。
学習院大に通学される愛子さま/代表撮影 日本雑誌協会JMPA (/光文社)
「佳子さまは今年で30歳になられますから、成年皇族としてこの10年、公務を重ね、さまざまな経験を通してご自分のスタイルを確立されてきました。愛子さまはまだそのスタートに立ったばかり、今後は佳子さまのようにご自身の目指す方向も探されていくことでしょう」
その一方で、愛子さまはプライベートでは非常にカジュアルな姿で国民の前に現れることもある。ご静養の時など、ユニクロやGUなどファストファッションを身につけられることも珍しくはない。愛子さまはTシャツにデニム姿でご家族と一緒に動物園に行かれていたこともあったのだ。
「公務など公の場ではそれに応じた服装をしていますが、プライベートに関してはお好きなものをお召しになっているようにお見受けします。ただ、基本的にはいつ誰に見られているかはわかりませんので、皇族としての品位を保つ服装は心掛けられているでしょう」
そういう意味では本当のプライベートな恰好をされるのは、御所の中だけなのだ。
「女性皇族方が国民に与える影響というのは非常に大きいと思います。例えば、上皇后美智子さまが皇室に入られた当時、世の中は『ミッチーブーム』に沸きました。美智子さまのお召しになったものを同世代の女性たちが次々に買い求め、気品あふれる美智子さまにあやかろうとしていたのです。
当時の美智子さまはファッショナブルな装いで注目されていたので、みんなあこがれてマネをしたわけですが、当時はファッションリーダー的な存在でもあったのではないでしょうか」
美智子さまファッションは雑誌の人気企画に
美智子さまはミニスカートやブーツなど、当時のトレンドをうまく取り入れたファッションで話題になり、女性週刊誌のグラビアページを飾ることも多かった。
「美智子さまはご静養時にはご自分のお好きなデザイン、花やリボンをあしらったお召し物なんかも着用されていましたね。ご静養先でくつろいで過ごされる時には、束の間お忙しい公務を離れ、ご自分の好きなお洋服をお召しになっていたことが多かったように思います。
それは女性のおしゃれも自由であっていいという、美智子さまのメッセージだったのかもしれません。そんな美智子さまのスタイルが女性たちから支持を集め、開かれた皇室としての一歩先を示されていたのではないでしょうか」
幼少期の愛子さま。ディズニーキャラクターのマスコットをお持ちに(Photo by Gettyimages)
トレンドを取り入れたファッションを通して、皇室に対し、より親しみを持つことができるのはいつの時代も変わらない。特に佳子さまのお召し物は『同じものが欲しい』と特定されるとすぐに完売するほどの人気ぶり。
「南米ペルーに行かれた際、マチュピチュでお召しになっていたブルゾンも即完売していました。値段も5000円しないものでしたし、私たちも気軽に手が届くもの。佳子さまのお召し物はすごくファッショナブルなので、同じものを着ていると周囲から『素敵ですね』と声をかけられることも多いと聞いています。
佳子さまが好まれる、いわゆる『赤文字系ファッション』のアイテムは、値段もそれほど高くないので購入しやすく、特にジャケットとスカート、ワンピースの組み合わせなどは、オフィスでも取り入れることができますね」
つげさんによると、佳子さまは流行の先端を敏感にとらえて、ファッションについても研究されているのではないか、と推測する。
「昨年3月に茨城県で行われた桜の植樹式に出席された佳子さまは、オーガンジー素材の青と白のグラデーションが印象的なプリーツスカートをお召しになり、トレンドのアイテムでした。流行を上手に取り入れて、公務のお召し物も考えていらっしゃるのでしょう。今後は愛子さまもご自身のお好きなスタイルを公務や普段のお仕事の際にも取り入れられていくのではないでしょうか」
ファッションに限らず、愛子さまは同年代の、社会に出たばかりの女性たちの目指すところにもなるだろう。トレンドをうまく取り入れていきながら、愛子さまは美智子さまや佳子さまのように新たな時代づくりを担っていくはずだ。
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