ベルリン国際映画祭で金熊賞、イラン監督に禁錮8年とむち打ちの有罪判決…今月のカンヌ映画祭にも出品
(写真:読売新聞)
【テヘラン=吉形祐司】イランの革命裁判所は、2020年のベルリン国際映画祭で最高の金熊賞を獲得した「悪は存在せず」のモハマド・ラスロフ監督=写真、ロイター=に国家安全保障に反する共謀罪で禁錮8年とむち打ちなどの有罪判決を言い渡した。
ラスロフ氏の弁護士が8日、X(旧ツイッター)で明らかにした。罰金や財産没収も命じられた。同氏は22年に逮捕された後に保釈された。弁護士は映画制作などが判決の理由だと指摘しており作品が反体制的だと判断された可能性がある。
ラスロフ氏の新作「聖なるイチジクの種」(仮訳)は、今月開かれるカンヌ国際映画祭に出品されている。銃を紛失した革命裁判所の判事が、妻と娘の仕業だと疑う物語。映画関係者が取り調べを受けた際、同氏に映画祭からの撤退を促すよう要求されたという。弁護士は、同氏が映画祭に出席できるかどうか不明としている。