ブルートレイン「あけぼの」車両で宿泊営業再開、初日は250m往復運転も…秋田「小坂鉄道」
切符を切ってもらい、乗り込む宿泊客ら(4日、小坂町で)
■小坂町とCFで修繕塗装
秋田県小坂町の観光施設「小坂鉄道レールパーク」で4日、旧寝台特急「あけぼの」の車両を使った宿泊営業が再開した。
初日は宿泊者限定の体験乗車会が小坂駅で行われた。1970年から40年余、上野―秋田・青森間を運行したブルートレインにちなみ午後5時、発車のベルが鳴り、宿泊客を乗せた車両が駅構内の約250メートル区間を往復した。
体験乗車会では、小坂鉄道保存会のメンバーが駅員の制服姿で車内アナウンスや検札を行い、懐かしい昭和の雰囲気を復活させた。細越満町長は「非日常の乗車体験で現役時代の情景を思い浮かべることができる」とあいさつした。
大阪府泉佐野市から父親と来た小学5年の男児(10)は「あけぼのが一番好きで関連グッズを集めた。2段ベッドの上で寝るのが楽しみ」と話した。
車両は電源車と休憩スペースを併せ、4両編成。A寝台個室(定員2)の11室とB寝台(同1)の23室に予約が入り、満室状態という。
宿泊営業はコロナ禍で2020年度に休止された。その後、老朽化で雨漏りする車両を町予算とクラウドファンディングで集めた資金で修繕塗装し、青光りする車両をよみがえらせた。