トラトラ株 日本株の調整局面はまだ続く見通し…飛びつき買いを控えて、押し目を拾う 「東洋炭素」「タムロン」好業績に注目
FRB(米連邦準備制度理事会)は5月1日まで開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、市場の予想通り6会合連続で政策金利を据え置き、量的引き締め(QT)の減速方針も決めた。
FRBのパウエル議長は会見で、「(利下げの条件となる物価目標達成に向けての確信が持てるまでに)想定よりも時間がかかる」「次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低いと考えている」と述べた。
このため、インフレの高止まりで利下げ開始がかなり先になるとの観測が強まっている。これは米株式市場の上値圧迫材料であるため、日本株の調整は続く見通しだ。よって、飛びつき買いを控えて、押し目を拾いたい。
まず、東洋炭素(5310)は好業績が注目ポイント。2024年12月期通期連結売上高は540億円(前期比9・6%増)、営業利益は109億円(同17・4%増)の見通し。デジタル投資やカーボンニュートラル実現の動きが継続することなどにより、エレクトロニクスやモビリティー、エネルギーなどの産業を中心に、着実な需要が見込まれる。
同社グループにおいては、シリコン半導体用途の需要は力強さを欠くものの、SiC半導体用途での旺盛な需要は継続。冶金用等でも堅調な需要を見込んでいる。業績見通しの前提となる為替レートは、135円/USドル、149円/ユーロ、19円/人民元を想定している。
次にタムロン(7740)は4月26日、「業績予想の修正に関するお知らせ」を発表した。これが注目ポイント。24年12月期第2四半期連結業績は、売上高を410億円(前回予想比19・5%増)、営業利益を84億円(同35・5%増)に上方修正した。
当第1四半期の連結業績については、各セグメントで販売が計画を上回り、さらに円安の影響があったことやコストダウン、生産性向上の原価低減推進効果などにより売上総利益率の向上が図られた。これにより、売上高・利益面ともに計画を上回って進捗(しんちょく)した。
そしてペプチドリーム(4587)は、放射性核種との複合体、およびその他アプリケーションによる治療薬・診断薬の開発を目的に、スイスに本社のあるNovartis Pharma AGとのペプチド創薬における提携を拡大することになった。これが注目ポイント。
本契約に基づき、同社はNovartis社から契約一時金として1・8億ドルを受領する。また今後、特定の開発、承認、販売マイルストーンフィーとして総額で27・1億ドルを受け取る可能性がある。
さらに同社は、本取り組みから製品が上市した場合に、当該製品の正味売上高に応じて段階的に比率が定められた売上ロイヤルティーを受領する可能性がある。 (株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)