ガザ戦闘休止案、ハマスが合意見込み…イスラエル軍のガザ撤退につながるかは不透明
3日、ガザ南部ラファで、イスラエル軍の攻撃で損壊した民家にたたずむ人々=AP
【エルサレム=安田信介】中東のテレビ局アッシャルクは4日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止や人質解放をめぐる交渉について、イスラム主義組織ハマスが近く仲介役エジプトなどがまとめた提案に合意する見込みだと伝えた。すでにイスラエルは承認しているとみられる。合意が成立すれば、ガザでの戦闘休止に向けた前進となる。
交渉では、イスラエルに収監されているパレスチナ人の釈放数をめぐり、詰めの協議が続いているとみられる。米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官が3日にカイロを訪問した。ハマス代表団は4日にカイロに到着した。
AP通信によると、仲介国の提案では、戦闘をまず6週間休止し、その間に人質の一部を解放すると同時にイスラエル軍のガザ撤退を含む「永続的な平穏」について協議することが柱となっている。
ただ、合意成立がイスラエル軍のガザ撤退につながるかは不透明だ。イスラエル側は、ハマス壊滅という目標を変えていない。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は1日にエルサレムで行われたブリンケン米国務長官との会談で、合意の有無にかかわらずガザ最南部ラファへ侵攻する意向を表明した。AFP通信によると、ブリンケン氏は3日、イスラエル側が民間人保護について信用できる計画を示していないとして、「計画なしではラファ侵攻は支持できない」と改めて強調した。