ウクライナで続く動員逃れ、越境試みた30人死亡…1日120人が出国認められず
ウクライナ東部ドネツク州で、露軍に向けりゅう弾砲を発射するウクライナ兵(21日)=ロイター
ロイター通信によると、ウクライナの国境警備隊は29日、ロシアのウクライナ侵略が始まった2022年2月以降、軍の動員を逃れる目的で、西方国境の川を泳いで渡ろうとするなどした約30人が死亡したと発表した。ウクライナでは戒厳令に基づき、18~60歳の男性の出国が原則、禁じられているが、不正に出国を試みる人が後を絶たない。
国境警備隊のSNSによると、ルーマニアとの間に流れるティサ川で4月末、2人の男性の遺体が見つかった。報道官によると、越境を試みた人が死亡する事例はモルドバ国境でも起きている。人身売買などに関わる業者が手引きをし、これまでに約450の業者を摘発した。
例外として出国が認められるシングルファーザーなどを装うため、書類を偽造して出国する手口も横行している。隣国ポーランドを目指す場合が多いという。報道官は、1日約120人が出国を拒否されていると明らかにした。ウクライナ軍は、消耗した兵力の補充が優先課題となっており、動員逃れの取り締まりを強化している模様だ。