イスラエルが戦闘終結を初めて提案か、人質解放後に協議する用意…米報道
イスラエルの国旗=ロイター
【エルサレム=中西賢司】米ニュースサイトのアクシオスは27日、イスラエルがエジプトなどを介したイスラム主義組織ハマスとの停戦交渉で、人質解放が実現すればパレスチナ自治区ガザでの戦闘終結を協議する用意があると初めて提案したと報じた。事実であれば、イスラエルが大幅な譲歩姿勢を見せたことになる。停滞する交渉の進展につながるかどうか注目される。
アクシオスは、イスラエル高官2人の話として伝えた。提案はエジプトと共同でまとめたものだ。ハマスが人質133人のうち、女性や子どもら一部を解放した後、持続可能な停戦の確立について話し合う意思があることを盛り込んだという。ガザ北部などから逃れた避難民の完全帰還や、ガザを南北に分断するため整備された道路周辺からのイスラエル軍撤退など、ハマスの要求に応える内容も含まれているとしている。
ロイター通信によるとハマス代表団は29日、エジプトとの協議のためにカイロを訪問する見通しだ。
ただ、ロイター通信によると、ネタニヤフ政権内には、提案は「屈辱的な敗北を意味する」と反対する強硬派の閣僚もいるという。
ガザの停戦交渉は難航してきた。ハマスが恒久停戦とイスラエル軍のガザからの完全撤退を堅持してきたのに対し、イスラエルはハマスの壊滅などを目標としており、隔たりが埋まってこなかった。イスラエル側は「ハマス最後の拠点」とみる最南部ラファに地上侵攻する構えを見せ、ハマスに圧力をかけてきた。