アメリカの大学で広がるガザ抗議デモ、社会への不満が根底か…大統領選の争点に
4月29日、米コロンビア大学の構内でイスラエルへの抗議デモを行う学生たち=金子靖志撮影
■米大統領選2024 論争の現場<1>
全米各地の大学に広がる抗議デモの「震源地」は、物々しい雰囲気だった。5日、米ニューヨークのコロンビア大学の出入り口は施錠され、周囲は二重の鉄柵で囲まれていた。
大学では、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に抗議する学生らがキャンパスの一角を占拠していた。4月30日に警官隊がテントを撤去し、100人以上を拘束した。
「イスラエルの攻撃でガザの子供たちが殺され、餓死している。だが、大学は攻撃に関与するイスラエル企業に投資している」
デモを主導した一人でイスラム教徒の大学院生、スエダ・ポラットさん(23)は憤る。学生らは同大が運用する約136億ドル(約2兆900億円)の基金の一部がイスラエル企業に流れているとして、投資の中止を求めた。
米国で近年、若者を中心とする急進左派が存在感を増している。2011年には格差の解消を求めて「ウォール街占拠運動」を起こした。ガザをめぐる抗議デモは、米国の社会問題への不満が根底にあるとの見方もある。
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11月5日の米大統領選に向け、争点となっている問題の現場を訪ねた。